セッション情報 一般演題

タイトル 187:

内視鏡的に摘除し得た食道顆粒細胞腫の1例

演者 吉田 健一(済生会熊本病院 消化器病センター)
共同演者 郷田 憲一(済生会熊本病院 消化器病センター), 藤本 貴久(済生会熊本病院 消化器病センター), 多田 修治(済生会熊本病院 消化器病センター), 須古 博信(済生会熊本病院 消化器病センター), 神尾 多喜浩(同 病理), 古賀 正広(古賀内科胃腸科医院)
抄録 症例は45歳男性.2002年1月に心窩部痛の精査のため古賀内科胃腸科医院を受診した際,上部消化管内視鏡検査にて食道粘膜下腫瘤を指摘された.この時生検を施行されたが,確定診断に至らなかった.その後同年4月に胃アニサキス症で内視鏡を受けた際,食道粘膜下腫瘤に対し再度生検を施行され,顆粒細胞腫と診断されたため,同年6月12日,精査加療目的で当院へ紹介入院となった.入院後の内視鏡検査では,胸部中部食道に黄白色調を呈する小指頭大の粘膜下腫瘤様の扁平隆起性病変を認めた.食道X線検査では,15×6mm大のbridging fold様の縦襞を伴う隆起性病変として描出された.内視鏡治療の適応と判断し,同年6月17日にEMRC法により内視鏡的に摘除した.組織学的には粘膜筋板に連続するように好酸性顆粒状の広い胞体をもつ腫瘍細胞が索状に,また一部で小胞巣状に増殖していた.免疫染色ではS-100蛋白陽性で,アクチンは陰性であった.切除断端は陰性であり,悪性像は認めなかった.近年発見が増加している食道顆粒細胞腫の1例を経験し,内視鏡的に摘除し得たので,文献的考察を加え報告する.
索引用語 食道顆粒細胞腫, 内視鏡的摘除