セッション情報 |
パネルディスカッション7(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器外科学会合同)
EUS-FNA関連の手技と工夫≪ビデオ≫
|
タイトル |
内PD7-4:当科に於けるEUS-FNA診断困難例の検討
|
演者 |
小穴 修平(岩手医大・消化器・肝臓内科) |
共同演者 |
齊藤 慎二(岩手医大・消化器・肝臓内科), 鈴木 一幸(岩手医大・消化器・肝臓内科) |
抄録 |
【目的】EUS-FNAは腫瘍病理診断の有用な検査手技として確立しているが、実際に導入して見ると検体採取や診断が困難な症例も経験される。そこで今回当科での検体採取や診断不能例について検討した。【対象と方法】2003年1月~2011年1月までに当科でEUS-FNAを施行した78病変、85回の穿刺例を対象とした。食道2例、胃35例、十二指腸1例、膵30例、リンパ節6例、直腸1例、その他4例である。【結果】1)検体採取率:87.1%(74/85)2)検体採取不能11例の内訳:(胃SMT5例/ 自己免疫性膵炎2例/SCN疑い1例/後腹膜リンパ節3例)、3)採取不能例の腫瘍径・穿刺回数:平均28.0×22.9mm、2.72回)、4)検体採取不能例を除いた最終診断能:全例で77.0%(57/74例)、胃SMT病変の診断能:85.7%(30/35例)、膵腫瘍診断能:64.3%(18/28例)であつた。5)確診困難例の内訳:食道で1例、α-SMAが弱陽性のLeiomyoma疑いであった。胃GIMT+診断不能13例は4例で免染を施行し2例はGISTを強く疑うが確診困難、残り2例は手術にてSchwannomaとLeiomyoma1の診断であった。4例は紡錘形細胞からGIMTまでの診断で、残る5例はmyxoid epithelioid typeのGIST、胃底腺のSMT変化1例、Leiomyoma疑い1例、Malignant lymphoma of stomach疑い1例、不適正検体1例であった。膵臓については5例が膵癌をFNAから確診困難で、5例はAIP症例でFNAからは診断不能であったが膵癌との鑑別は可能であった。6)胃病変手術16例の診断不能症例の内訳・正診率: GIST12例、myxoid epithelioid typeのGIST1例、Leiomyoma2例、Schwannoma1例であった。FNA感度/特異度/正診率:69.2%、100%、87.5%であった。8)合併症:穿刺2時間後の採血で一過性WBCの上昇1例に認めた。【結語】EUS-FNAは安全に施行可能で高い正診率が得られるが、SMT病変は検体採取不能例が多く技術的難易度が高いと思われる。GIST以外の病変であった場合に確定診断困難例でGIMTとまでしか診断に迫れない症例も存在していた。AIPは癌との鑑別に対して有用であるがAIPの診断は困難であった。 |
索引用語 |
EUS-FNA, 診断困難例 |