セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 257:急性虫垂炎にて発症した原発性虫垂癌の一例 |
演者 | 野中 孝一(国立病院長崎医療センター) |
共同演者 | 徳永 祐二(国立病院長崎医療センター), 古川 正人(国立病院長崎医療センター), 佐々木 誠(国立病院長崎医療センター), 酒井 敦(国立病院長崎医療センター), 宮下 光世(国立病院長崎医療センター), 辻 博治(国立病院長崎医療センター), 大城 崇司(国立病院長崎医療センター), 神田 聡(国立病院長崎医療センター) |
抄録 | 今回,我々は急性虫垂炎にて発症した原発性虫垂癌の1例を経験したので若干の文献的考察を加え報告する.症例は79歳女性.平成14年2月右下腹部痛が出現したため近医受診し,急性虫垂炎の診断にて入院.保存的治療にて軽快し退院となったが,3月28日再度右下腹部痛出現.頻回に繰り返すため腹部CT施行し虫垂腫瘍が疑われため4月4日当院紹介入院.腹部CTにてretorocecalに全長7cm,径3.5cmの腫大した虫垂と,虫垂内に造影効果のある腫瘍が認められた.注腸検査,下部消化管内視鏡では異常所見は認めなかった.4月17日急性腹膜炎症状を呈したため確定診断のつかないまま緊急手術となった.開腹所見で後腹膜,Gerota’s fasciaまで炎症が波及していたため回盲部切除施行.病理組織検査にて虫垂入口部にMucinous cystadenoma,虫垂先端部にWell differentiated adenocarcinomaが認められた.虫垂癌は比較的稀な疾患であり,臨床症状として急性虫垂炎を呈することが多く,術前検査が十分になされないまま手術になり病理組織検査にて確定診断されることが少なくない.回盲部腫瘤を形成し,虫垂炎症状を伴う場合は虫垂癌を念頭に入れ診断治療にあたる必要があると思われた. |
索引用語 | 虫垂癌, 急性虫垂炎 |