セッション情報 一般演題

タイトル 228:

MTX-5FU-low dose CDDPが奏効した骨髄癌腫症、DIC、両側硬膜下血腫、全身骨転移を伴った胃癌の1例

演者 徳光 陽一郎(国家公務員共済組合連合会浜の町病院 内科)
共同演者 石津 昌直(国家公務員共済組合連合会浜の町病院 内科), 谷口 修一(国家公務員共済組合連合会浜の町病院 内科), 瀬尾 充(国家公務員共済組合連合会浜の町病院 内科), 松浦 隆志(浜の町病院 放射線科), 渋谷 恒文(国家公務員共済組合連合会浜の町病院 内科)
抄録 骨髄癌腫症、DICを伴う胃癌に対し、我々はMTX-5FU-low dose CDDP療法にて加療し良好な治療成績が得られつつある。第78回支部例会にて骨髄癌腫症、血球貪食症候群、DICを伴う胃癌症例に対し、本療法にてCRとなり長期生存した症例を報告した。今回、新たな症例を経験したので報告する。症例は53歳男性。H14年3月より腰痛と両下肢の脱力が出現。近医整形外科に入院しDICと全身多発骨転移を指摘され4月3日当院転院。骨髄穿刺はdry tapで骨髄生検にても壊死組織しか採取できなかった。頭部MRIにて両側硬膜下血腫を合併していた。GIFにて胃体部大弯は浮腫状でびらんを多数認め、胃体上部大弯に広範なIIc 病変を認めた。すべての病変の生検診断はpoorly dif. adenocarcinoma with signet ring cellであった。骨髄癌腫症、DIC、両側硬膜下血腫、全身骨転移を伴った胃癌と診断し、DICの加療しながら化学療法を施行した。day1にMTX 100mg/m2 iv後5-FU 350mg/m2をday1~5、5日間持続点滴、CDDP 10mg/bodyのdivをday2~6、5日間投与、ロイコボリン10mg/m2をMTX投与後24時間後から6回投与した。毎週3~4週間投与を1クールとし1週間休薬後、3クール(計11回)投与した。1クール後よりDICの改善が認められた。副作用はGrade1の口内炎を認めるのみであった。内視鏡所見は胃体部の浮腫、びらんは消失し、IIc病変は残存していたが生検では癌病変は認めなかった。頭部CTにて血腫は消失し、骨シンチも改善し3ヶ月にて退院した。現在、外来にてMTX-5FU交代療法を2週毎施行し再燃なく経過している。
索引用語 胃癌骨髄癌腫症, 化学療法