セッション情報 |
一般演題
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タイトル |
154:腸間膜に発生したCastleman病の一例
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演者 |
真鍋 靖史(社会保険 浦ノ崎病院 外科) |
共同演者 |
大塚 順和(社会保険 浦ノ崎病院 外科), 深堀 哲弘(社会保険 浦ノ崎病院 放射線科), 中城 博見(社会保険 浦ノ崎病院 外科) |
抄録 |
Castleman病は1956年にCastlemanらにより縦隔に発生したリンパ節過形成としてはじめて報告されたリンパ増殖性疾患である。縦隔や顎部に多く、腸間膜発生例は極めてまれである。今回我々は腸間膜に発生したCastleman病の一例を経験したので報告する。症例は50歳、女性。自覚症状はなかった。生活習慣病検診受診時に尿潜血を指摘されたため、精査目的で当院外科を受診した。入院時理学的所見あるいは検査所見に明らかな異常は認めなかった。腹部超音波検査では膀胱頭側に4 cm大の腫瘤が認められた。骨盤CTで同腫瘤はS状結腸近傍に認められ腸管壁との連続性が疑われた。また静脈の還流先は下腸間膜静脈だった。大腸内視鏡でははっきりした粘膜下腫瘍様の形態は示さず、腸管外からのわずかな圧排所見が認められるのみであった。腸間膜腫瘍の術前診断にて手術を施行した。肉眼上腫瘤はS状結腸壁と不連続性にS状結腸間膜に認められ、腫瘤摘出術を行った。腫瘤は5 x 4.5 x 3.5 cm、辺縁明瞭、弾性硬、割面は褐色均一な充実性腫瘍であった。病理組織学的には全体としてリンパ節の構造を示し、細血管増生とこれを同心円状に囲むリンパ球の密な増生を示しておりCastleman病と診断された。我々は極めてまれな腸間膜Castleman病の一例を経験した。Castleman病の腹腔、後腹膜、骨盤腔での発生頻度は1.2-4.2%と極めてまれである。本邦では腸間膜に発生したCastleman病は約10例の報告が認められる。今回若干の文献的考察を加え報告する。 |
索引用語 |
Castleman病, 腸間膜腫瘍 |