セッション情報 一般演題

タイトル 177:

特発性食道壁内血腫の1例

演者 和田 純治(中間市立病院)
共同演者 峯 信一郎(中間市立病院), 金子 朋代(中間市立病院), 和田 義人(中間市立病院), 宮崎 亮(中間市立病院), 鳥巣 要道(中間市立病院)
抄録 【症例】60歳、女性。1994年8月、ふらつき、吐血、嚥下痛を主訴に来院。既往歴:血液疾患なし。抗凝固剤内服歴なし。家族歴:特記事項なし。身体所見:血圧80 / 52 mmHg 脈拍60 /分 整 眼瞼結膜に貧血を認めた。来院時検査所見: RBC:332万/μl、Hb:10.3 g/dl、Ht 31.6%軽度貧血を呈した。APTT:29.1秒、PT:11.2秒(100%)と凝固因子に異常は認めなかった。心電図:異常なし。上部消化管内視鏡検査:食道上部~中部にかけて暗赤色を呈した粘膜下血腫の散在と、食道下部に逆流性食道炎を認めた。内視鏡などによる機械的損傷を受けていないこと、凝固系に異常を認めないことより特発性食道壁内血腫と診断。PPI投与やIVHによる保存的治療による入院加療を繰り返しているが、寛解には至らず、外来にて経過観察中である。【まとめ】食道壁内血腫の報告は1957年Willamsにより初めて報告されて以来、比較的症例数が少なく、稀な疾患である。本症の様に凝固因子に異常を認めず、機械的損傷を受けていないタイプは特に稀で、本邦報告例では約30例程度である。本症につき若干の文献的考察含め報告する。
索引用語 食道壁内血腫, 食道血腫