セッション情報 パネルディスカッション7(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器外科学会合同)

EUS-FNA関連の手技と工夫≪ビデオ≫

タイトル 内PD7-6:

当院におけるperipancreatic fluid collectionに対するInterventional EUSの検討

演者 野間 康宏(岡山大病院・消化器内科)
共同演者 加藤 博也(岡山大病院・消化器内科), 山本 和秀(岡山大病院・消化器内科)
抄録 【目的】当院で施行したperipancreatic fluid collection(PFC)に対するInterventional EUS(IV-EUS)の成績について検討した。【方法】対象は2003年1月から2011年2月の期間にIV-EUSを施行したPFC52例(平均年齢54.3歳、男:女=41:11)。嚢胞径中央値は66mm(28-217)、感染性嚢胞27例、非感染性嚢胞25例、観察期間中央値は26.6ヵ月(0.4-98.1)であった。IV-EUSはEUSガイド下に19GFNA穿刺針で穿刺、先端taperingカテーテルを挿入後、7Fr dilation catherter、8mm balloon catherterでの拡張を行い、Double lumen catheterにてdouble guidewireとした。径が60mm以下で感染を伴わない場合は、plastic stent(PS)を複数本留置して内瘻とし、径60mm以上もしくは感染を伴う場合は複数本のPSと経鼻チューブを留置して内外瘻とすることを基本とした。内外瘻後、1~2週間の経過で改善を認めない場合は、消化管拡張バルーン(12-18mm)で瘻孔をさらに拡張して、PSを追加留置した。【成績】IV-EUSにて、全例でPCFの縮小もしくは消失を認めた。初回の処置で改善したのは18例(34.6%)で、残りの34例は追加処置を必要とした。その内7例で消化管拡張バルーンにて瘻孔を拡張後、PSを追加留置したが、その後追加処置が必要な症例はなかった。合併症は7例に認め、PSの迷入3例、腹膜炎3例、術後誤嚥性肺炎を1例に認めた。内瘻(内外瘻を含む41例)は17例で抜去されており、内瘻期間中央値は207日であった。内瘻抜去後、PCFの再増大もしくは感染を3例で認め、1例では再度IV-EUSを施行した。径60mm以上もしくは感染を伴った40症例について検討すると、初回に内外瘻としなかった14例のうち13例(92.9%)が追加処置を必要とした。内外瘻とした30例のうち、追加処置を必要としたのは、13例(43.3%)であった(p<0.05)。【結論】PCFに対するIV-EUSは有用であり、60mm以上あるいは感染を伴う嚢胞についてはまず内外瘻とし、改善が不十分な場合にはさらに瘻孔を拡張後、PSを追加留置することで良好な結果が得られた。
索引用語 EUS-FNAB, interventional EUS