セッション情報 | 一般演題 |
---|---|
タイトル | 94:肝動注化学療法を含む集学的治療が奏効した門脈および下大静脈内腫瘍塞栓を伴う巨大結節併存肝細胞癌の1例 |
演者 | 長田 修一郎(久留米大学 医学部 第二内科) |
共同演者 | 板野 哲(久留米大学 医学部 第二内科), 永松 洋明(久留米大学 医学部 第二内科), 黒木 淳一(久留米大学 医学部 第二内科), 田尻 能祥(久留米大学 医学部 第二内科), 山崎 三樹(久留米大学 医学部 第二内科), 松垣 諭(久留米大学 医学部 第二内科), 奥田 康司(久留米大学 医学部 外科), 佐田 通夫(久留米大学 医学部 第二内科) |
抄録 | 症例は65歳女性。2001年10月に肝細胞癌の診断にて当科入院。入院時のAFPは18450ng/mlと高値。CT上S1を中心とした最大径80mmの結節と門脈左枝および下大静脈の腫瘍塞栓を伴う肝細胞癌を認めた。下大静脈から右房内まで腫瘍が進展しているため外科的切除不能と判断し、左上腕動脈より肝動脈リザーバーを留置しlow dose FP (CDDP+5FU)を用いた肝動注を施行。入院中は計15回の動注でAFPは26118から14780ng/mlまで低下し、外来ではbiweeklyで7回動注しAFPは9807ng/mlまで低下した。この時点で右房内腫瘍塞栓が改善したため2002年5月に肝拡大左葉切除術、門脈内および下大静脈腫瘍栓除去術を施行した(AFP55.5ng/ml)。その後外来でAFPの再上昇(894.2ng/ml)と両肺に多発性の肺転移が出現したため7月に再入院し、気管支動脈への抗癌剤以降を目的とした大動脈内リザーバーを留置。外科切除標本による感受性試験にて切除した残存病変はCDDP+5FUに耐性があることが判明していたため肺転移巣もCDDP+5FU耐性と考え、FARM30mg+MMC8mg(EM)をweeklyで計3回動注した。CT上、肺転移巣には縮小傾向が認められ、AFPも101.3ng/mlまで低下した。現在外来にてbiweeklyで大動脈へのリザーバー動注を継続中である。【まとめ】巨大な主結節は肝動注療法のみでコントロール困難であり、予後の延長のためには主結節に対する肝切除・TAEなどの腫瘍減量を目的とした局所療法併用が必要と考えている。また、我々は肝外転移症例に対しCDDP+5FUを用いた全身化学療法を行っている(奏功率20%)が、大動脈リザーバーを用いた動注も有効である可能性が示唆された。 |
索引用語 | 肝細胞癌, 肝動注化学療法 |