セッション情報 | シンポジウム1 |
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タイトル | S1-008:巨大結節併存進行肝細胞癌に対するリザーバー経由頻回分割TAE |
演者 | 板野 哲(久留米大学 医学部 第二内科) |
共同演者 | 永松 洋明(久留米大学 医学部 第二内科), 松垣 諭(久留米大学 医学部 第二内科), 山崎 三樹(久留米大学 医学部 第二内科), 田尻 能祥(久留米大学 医学部 第二内科), 黒木 淳一(久留米大学 医学部 第二内科), 久富 順二郎(久留米中央病院), 神代 龍吉(久留米大学 医学部 第二内科), 佐田 通夫(久留米大学 医学部 第二内科) |
抄録 | 我々の施設では約10年前より切除不能進行肝細胞癌に対しリザーバーを用いた肝動注療法を行ってきた。最近では少量のCDDPと5FUを用いたlow dose FP療法により、stage IVの進行癌細胞癌でも2年生存率40%以上と良好な結果を得るようになった。しかし塊状型と呼ばれるような巨大な結節を有する肝細胞癌は肝動注のみではコントロールできない事が多い。我々は3年前より選択的TAEが施行可能な肝動注リザーバーシステム(System-I)を考案し、動注が無効もしくは動注が有効でないと考えられる巨大結節肝細胞癌に対し入院~外来を通じて頻回分割TAEを行い良好な結果を得ている。System-Iが従来の肝動注リザーバーシステムと異なる点は、穿刺部がラッテクスゴムの2重膜構造となった注入アダプター(東レメディカル)をリザーバーポートとして用いている点である。注入アダプターは19Gエラスタ針を50回以上穿刺しても破損しない。長さを調節しカテ先から3~5cmのところにside holeを数個開けた5FrアンスロンPUカテーテルを右大腿動脈穿刺にて肝動脈内に留置し、カテーテルの末端にアダプターをヒストアクリルを用いて接合し大腿部前面の皮下に浅く埋め込む。動注を行う時はアダプターを摘まみ上げてラテックスゴムの部分に23G針を皮膚面と平行に穿刺する。選択的TAEを行う時は19Gのエラスタ針を穿刺し、エラスタの外筒を介して2~2.3Frの超細径マイクロカテーテルを挿入し、ガイドワイヤーを用いてside holeから選択的に動脈へカニュレーションしTAEを行う。施行後は1時間程安静のち帰宅も可能である。現在までに6例の巨大結節併存肝細胞癌に対しSystem-Iを用いた頻回分割TAEを行い、全例経過良好である。リザーバー動注が無効であり、以前であれば万策つきたと考えられていた肝細胞癌症例に対する治療として本法を紹介する。 |
索引用語 | 肝細胞癌, System-I |