セッション情報 | 一般演題 |
---|---|
タイトル | 93:骨盤球蓋部の骨転移巣に対し内腸骨動脈へのリザーバー動注が有効であった肝細胞癌の1例 |
演者 | 甲田 博久(久留米大学 医学部 第二内科) |
共同演者 | 板野 哲(久留米大学 医学部 第二内科), 永松 洋明(久留米大学 医学部 第二内科), 黒木 淳一(久留米大学 医学部 第二内科), 田尻 能祥(久留米大学 医学部 第二内科), 山崎 三樹(久留米大学 医学部 第二内科), 松垣 諭(久留米大学 医学部 第二内科), 久富 順二郎(久留米中央病院), 金子 壽興(医療法人金子病院), 佐田 通夫(久留米大学 医学部 第二内科) |
抄録 | 症例は55歳、男性。B型慢性肝炎に合併した胆管浸潤型肝細胞癌にて1999年10月に入院。肝S5,S8の主結節から左右の胆管分岐部に浸潤し閉塞性黄疸を伴った進行肝細胞癌(AFP15701ng/ml, PIVKA-II 471MAU/ml)であったが、PTCD+胆管ステント留置と肝動脈リザーバーによる CDDP+5FUの肝動注で緩解を認めた(AFP2504, PIVKA-II 42)。その後、肝内の残存病変や再燃に対し入院および外来を通じて肝動注もしくはTAEを加え、一時期はAFP33.4, PIVKA-II 36までの改善を認めたが、2001年3月に左股関節痛が出現。CTにて左腸骨球蓋部に骨破壊を伴う転移巣を認め、AFPも9800まで上昇。放射線治療を施行するも疼痛は増強し効果を認めなかったため、右大腿動脈穿刺にて左内腸骨動脈に動注リザーバーを留置した。肝動脈リザーバーにはMMC+DSMを投与しながら、左内腸骨動脈リザーバーにはbiweeklyでノバントロン5~10mg投与。2001年7月にはCT上、球蓋部転移巣は消失し疼痛も改善した(AFP 801 )。その後も左内腸骨動脈リザーバーの動注は継続し、2002年9月5日に肝膿瘍にて死亡するまでの間、球蓋部の転移巣は再燃せず歩行も可能であった。肝細胞癌の骨転移巣には放射線治療が第1選択であるが、リザーバー留置が可能な動脈から栄養を受ける骨転移巣ならばリザーバー動注も有用な治療と考えられた。 |
索引用語 | 肝細胞癌, 骨移植 |