セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 242:膵管癒合不全を合併し、嚢胞形成を来たした十二指腸迷入膵の一例 |
演者 | 佐貫 仁(長崎大学 医学部 第二内科) |
共同演者 | 西山 仁(長崎大学 医学部 第二内科), 角川 淑子(長崎大学 医学部 第二内科), 能村 紀子(長崎大学 医学部 第二内科), 池田 真帆(長崎大学 医学部 第二内科), 金沢 佑星(長崎大学 医学部 第二内科), 大場 一生(長崎大学 医学部 第二内科), 磯本 一(長崎大学 医学部 第二内科), 竹島 史直(長崎大学 医学部 第二内科), 大曲 勝久(長崎大学 医学部 第二内科), 水田 陽平(長崎大学 医学部 第二内科), 村瀬 邦彦(長崎大学 医学部 第二内科), 村田 育夫(長崎大学 大学院 薬物治療学), 円城寺 昭人(長崎大学 医学部 第二外科), 河野 茂(長崎大学 医学部 第二内科) |
抄録 | 要旨:症例は49歳女性。平成13年2月より心窩部痛が出現し、8月に胆嚢結石症と診断された。同年10月、腹腔鏡下胆嚢摘出術が施行されたが、その後も腹痛が時々みられていた。平成14年3月、症状の増悪を認め、腹部CT、超音波検査では胃幽門部から十二指腸球部背側に嚢胞性病変を認め、上部消化管内視鏡検査でも胃幽門部後壁に粘膜下腫瘍様病変を認めたため精査加療目的に当科紹介となった。血液生化学検査では、膵酵素、腫瘍マーカー等に異常所見は認めなかった。ERCPでは、膵管癒合不全が認められたが、膵管と嚢胞の交通は明らかでなかった。超音波内視鏡検査では第3-4層に局在する嚢胞性病変と推測されたが、壁外の可能性も否定できなかった。経内視鏡的穿刺により淡血性の内容液が吸引され、アミラーゼは58636IU/lと高値を示したが、細胞診では悪性所見を認めなかった。以上より迷入膵の嚢胞形成や仮性嚢胞、膵管と微小交通を有する消化管重複嚢胞等を鑑別疾患におき、くり返す心窩部痛の原因と考えられたため、平成14年6月3日、胃・十二指腸切除術を施行した。嚢胞は約2.5cm×2.5cm×2.0cmで十二指腸後壁を中心に存在し、漿膜に被われていた。病理組織学的には嚢胞部分は漿膜外から粘膜下に及ぶ単胞性の腔を形成しており、内面には上皮と思われる細胞がわずかに観察された。また隣接して筋層内に導管と腺房よりなる異所性の膵組識を認めたため、嚢胞部は上皮が剥離し拡張した導管と考えられた。術後心窩部痛の再発なく経過良好である。膵管癒合不全を合併し、嚢胞形成を来たした十二指腸迷入膵は稀であり、若干の文献的考察を加えて報告する。 |
索引用語 | 十二指腸迷入膵, 膵管癒合不全 |