セッション情報 一般演題

タイトル 96:

UFT内服とシスプラチン点滴静注の併用療法が奏功している原発性肝細胞癌の1例

演者 黒木 淳一(久留米大学 医学部 第二内科)
共同演者 板野 哲(久留米大学 医学部 第二内科), 永松 洋明(久留米大学 医学部 第二内科), 松垣 諭(久留米大学 医学部 第二内科), 山崎 三樹(久留米大学 医学部 第二内科), 田尻 能祥(久留米大学 医学部 第二内科), 神代 龍吉(久留米大学 医学部 第二内科), 佐田 通夫(久留米大学 医学部 第二内科)
抄録 症例は、71歳男性。C型肝硬変症。平成9年6月、近医受診した際の腹部エコーにてS2、S3の原発性肝細胞癌(HCC)を指摘され、同年7月に外側区域切除術を施行。平成12年4月、S8のHCCに対し開腹下MCN施行。平成13年3月、腹部CTにてS4,5,6,8に多結節性再発を認めたため、同年4月当科紹介受診。腫瘍マーカーは、AFP 2,444ng/ml、PIVKA-II 56mAU/mlと高値であった。しかしながら、同CTにて下行大動脈から腹部大動脈に解離を認めたため、経動脈的なアプローチは困難であった。CDDPと5-FUのbiochemical modulationの概念に基づき、UFT-E 1.5g/日、7日連日投与に加え、第4日目にCDDP 10mg/60minを経静脈的に投与するのを1クールとし、biweeklyに施行する方法を選択した。AFPは、同年9月の3,994ng/mlをピークに徐々に低下し、平成14年8月には264.6ng/mlとなっている。一般に、手術ならびに経皮的治療法の適応のない原発性肝細胞癌に対しては、経カテーテル肝動脈塞栓療法や肝動脈動注化学療法が選択される場合が多いが、本症例は経動脈的アプローチが困難な際の治療法として、検討に値すると思われるため若干の考察を加え報告する。
索引用語 肝細胞癌, 全身化学療法