| セッション情報 | 一般演題 |
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| タイトル | 131:薬剤性腸炎との鑑別を要した腸管出血性大腸菌性腸炎の1症例 |
| 演者 | 西條 知見(長崎大学 医学部 第二内科) |
| 共同演者 | 西山 仁(長崎大学 医学部 第二内科), 陳 俊全(長崎大学 医学部 第二内科), 町田 治久(長崎大学 医学部 第二内科), 福田 浩敏(長崎大学 医学部 第二内科), 大原 寛之(長崎大学 医学部 第二内科), 磯本 一(長崎大学 医学部 第二内科), 竹島 史直(長崎大学 医学部 第二内科), 大曲 勝久(長崎大学 医学部 第二内科), 水田 陽平(長崎大学 医学部 第二内科), 村瀬 邦彦(長崎大学 医学部 第二内科), 村田 育夫(長崎大学 大学院 薬物治療学), 河野 茂(長崎大学 医学部 第二内科) |
| 抄録 | 要旨:症例は43歳男性。平成14年8月6日、副鼻腔炎にて近医受診し、同日より8月14日までSBTPCを内服していた。8月16日から腹痛、下痢(10回/日以上)が出現し、当院救急部受診。輸液、LVFX投与にて経過観察していたところ、血便も出現したため当科紹介となった。SBTPCによる急性出血性腸炎疑いにて一時帰宅されたが、下血や腹痛が持続するため翌8月17日当科再診となった。大腸内視鏡検査では回盲部から脾彎曲部まで連続性に粘膜の浮腫、発赤、びらん、出血を認めたが、明らかな潰瘍は認めなかった。病理組織学的検査では特異的な所見は得られず、内視鏡検査時に採取した腸内容液のO-157抗原は陰性であるものの、Vero toxinが陽性であった。また便培養ではO-157をはじめ、有意な菌は検出されなかった。以上よりベロ毒素産生大腸菌による出血性腸炎と診断し輸液、及びLVFXの内服を開始した。入院経過中、溶血性尿毒症症候群の続発はみられず、8月23日軽快退院となった。集団発生はなく、感染源の特定は困難であった。発症までの経過および内視鏡検査上、薬剤性腸炎との鑑別が問題となった腸管出血性大腸菌性腸炎の1症例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する。 |
| 索引用語 | 出血性腸炎, ベロ毒素産生大腸菌 |