セッション情報 |
ワークショップ1
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タイトル |
W-007:リンパ節転移からみた早期胃癌の治療法選択基準の検討
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演者 |
中原 慶太(久留米大学 医学部 第二内科,消化器病センター) |
共同演者 |
鶴田 修(久留米大学 医学部 第二内科,消化器病センター), 立石 秀夫(久留米大学 医学部 第二内科,消化器病センター), 古波倉 允(久留米大学 医学部 第二内科,消化器病センター), 佐田 通夫(久留米大学 医学部 第二内科,消化器病センター), 豊永 純(久留米大学 医学部 第二内科,消化器病センター), 武田 仁良(久留米大学 医学部 外科、消化器病センター) |
抄録 |
【目的】早期胃癌のリンパ節転移に影響を及ぼす臨床病理学的因子を探索し、リンパ節転移からみた治療法の選択基準を検討する。【対象と方法】1994年から2001年までに外科的根治切除された早期胃癌422病変を対象とし、以下の項目について検討した。1)臨床病理学的なリンパ節転移危険因子の検討:リンパ節転移の有無を目的変数、年齢、性別、部位、肉眼型、腫瘍長径、組織型、組織多様性、潰瘍合併、脈管侵襲、深達度の臨床病理学的因子10項目を説明変数として、多変量解析(ロジスティック回帰分析)を行った。2)リンパ節転移危険因子に基づいた治療法の選択基準の検討:リンパ節転移の危険因子について層別解析を行い、局所治療が成立するリンパ節転移のない組織学的条件を探索した。【結果】1)臨床病理学的なリンパ節転移の危険因子は、潰瘍合併(P=0.0426,OR=8.52)、脈管侵襲(P<0.0001,OR=4.59)、深達度(P=0.0171,OR=2.1)の3因子であった。2)リンパ節転移の危険因子である潰瘍合併陰性、脈管侵襲陰性、深達度M-SM1の3条件を満たせば、リンパ節転移率0%(0/179)であった。この3条件を満たす切除早期胃癌の割合は、M癌66.3%(167/252)、SM1癌26.1%(12/46) 、全体42.4%(179/422)であった。【結論】早期胃癌の局所治療を成立させるためには、十分な組織評価が可能な切除標本が得られ、上記を満たすことが必要条件と考えられた。 |
索引用語 |
早期胃癌, 治療法選択 |