セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 194:食道悪性リンパ腫 |
演者 | 神代 由美子(北九州市立医療センター) |
共同演者 | 久保 茂(北九州市立医療センター), 井原 裕二(北九州市立医療センター), 奈須 俊史(北九州市立医療センター), 吉田 浩樹(北九州市立医療センター), 三澤 正(北九州市立医療センター) |
抄録 | 症例は69歳女性.平成13年10月近医でLDH高値を指摘され,当院内科に紹介された.胸部不快感があったため心臓エコー検査を施行し,心房後方に腫瘤を指摘された.食道X線検査では胸腹部食道にわたり縦走する巨大皺襞を認めた.上部消化管内視鏡検査では食道に軟らかな巨大皺襞を認め,表面は平滑で,びらん,潰瘍は認めなかった.超音波内視鏡検査では第3層のみが著明に肥厚しており,モザイク状の低エコーで,筋原腫瘍の所見とは明らかに異なっていた.最大の厚さは2センチであった.胸部CT検査では食道のUtからAeにわたる壁肥厚を認めたが,縦隔リンパ節の腫大はみられなかった.胸部X線検査,ガリウムシンチ,腹部CT検査では異常を認めなかった.巨大皺襞表面からの生検では確診が得られず,粘膜切除後の潰瘍底からの生検により悪性リンパ腫と診断された.化学療法2クール終了時には,腫瘍は縮小傾向であり,症状は消失している.食道悪性リンパ腫の報告は,本邦では極めて少なく,検索し得た範囲で自験例を含め15例(2002年まで)である.稀な症例であり,診断には粘膜切除後生検や超音波内視鏡検査など,積極的なアプローチが必要と考え,文献的考察を含め報告する. |
索引用語 | 食道, 悪性リンパ腫 |