セッション情報 一般演題

タイトル 181:

一般病院における胃食道逆流症の頻度に関するProspectiveな検討

演者 嶋津 剛典(福岡大学 筑紫病院 消化器科)
共同演者 松井 敏幸(福岡大学 筑紫病院 消化器科), 岡 芳彦(福岡大学 筑紫病院 消化器科), 松村 順(樋口病院 内科)
抄録 【目的】一般病院において胃食道逆流症(Gastroesophageal reflux disease: GERD)の頻度をprospectiveに検討した。またGERDの頻度に関与する因子,Flap valve機能,性,年齢についても検討した。【方法】2000年1月から2002年8月までに当院にて内視鏡検査を施行された1231例を対象にprospectiveにGERDを判定し,Flap valve機能評価(内視鏡的に4段階に分類:Hillら1999による)や性別,年齢別に分類し,その各々の頻度について検討した。GERDの定義は食道疾患研究会分類(5段階)を用いた。【成績】GERDの全体の頻度は17.5%(215例/1231例)であった。性別頻度は男性22.1%(145例/656例),女性12.2%(70例/575例)で男性に有病率が高かった。年齢別頻度は男性は30歳代11.1%,40歳代24.3%,50歳代27.5%,60歳代18.7%,70歳代24.3%,80歳以上19.6%であり,女性は30歳代1.8%,40歳代5.8%,50歳代6.9%,60歳代9.5%,70歳代15%,80歳以上24.2%であった。GERDのgrade別頻度はgrade 1:11.6%,grade2:3.2%,grade 3:1.2%,grade 4:0.8%であった。Flap valve機能異常の程度とGERDの程度は有意の相関関係にあった(p<0.05)。【結論】GERDの全体の頻度は17.5%であり男性に多かった。男性では加齢に伴うGERDの有病率の上昇は少なく,女性では加齢とともに有病率が上昇した。GERDgrade別にみると軽症が多かった。内視鏡上の下部食道接合部機能評価とGERDの程度には相関がみられた。
索引用語 胃食道逆流症, Flap valve