セッション情報 パネルディスカッション7(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器外科学会合同)

EUS-FNA関連の手技と工夫≪ビデオ≫

タイトル 内PD7-8:

切除不能中下部悪性胆管狭窄に対する超音波内視鏡下胆管十二指腸吻合術(EUS-guided choledochoduodenostomy:EUS-CDS)のコツ

演者 原 和生(愛知県がんセンター中央病院・消化器内科)
共同演者 肱岡 範(愛知県がんセンター中央病院・消化器内科), 山雄 健次(愛知県がんセンター中央病院・消化器内科)
抄録 (背景と目的)2003年以降、我々は切除不能悪性胆管狭窄患者72例に対して超音波内視鏡下胆管ドレナージを施行してきた。その中で最も症例の集積が得られているEUS-CDSの成績をステントの種類と内視鏡の選択に関してretrospectiveに検討した。(対象)2003/9月~2010/3月の間にEUS-CDSを施行した53例を対象とした。(EUS-CDSの方法)EUS-CDSの方法は既報(Hara K, et al. Dig Endosc 2010)のように超音波内視鏡ガイド下に肝外胆管と十二指腸球部との間にステントを置く方法とした。超音波内視鏡は、Forward-Viewing(FV)(23例)、Oblique-Viewing(OV)(30例)を使用した。初回留置するStentとして、Plastic Stent(PS)を32例、Covered Metallic Stent(CMS)を20例に対して使用した。(成績)1.手技の成功率は、FV(23/23,100%)、OV(29/30,97%)であった。2.手技に要した時間は、FV:中央値25分(13-50分)、OV:中央値35分(12-75分)であり、FVを使用することで手技が有意に短時間になった(p=0.0338)。3.手技に伴う偶発症として、初回CMS留置群で胆嚢炎、胆管炎を各1例5%に認め、初回PS留置群では、出血1/32,3%、腹膜炎6/32,19%を認めた。4.ステント閉塞率(のべ)は、CMSで13%(4/30)、PSで59%(30/51)であった。5.ステントの50%開存期間をKaplan-Meier法を用いて算出すると、PS120日、CMS(not reach)であり、CMSの開存期間が有意に長かった(p=0.0067)。6.FVでは、ステント端を内視鏡で確認しながらステント留置が行えるため、安全にステント留置が可能であった。(結論)EUS-CDSは、FV-EUSを用いてCMSを留置することにより、手技時間が短縮され、同時に腹膜炎の発症が予防できる可能性がある。当日は、これらをビデオで供覧する。
索引用語 EUS-CDS, EUS-BD