セッション情報 |
一般演題
|
タイトル |
102:大型肝細胞癌に対し、RFAとTAEによる集学的治療を行った一例
|
演者 |
金城 達也(琉球大学 医学部 第1外科) |
共同演者 |
長濱 正吉(琉球大学 医学部 第1外科), 松原 千恵子(琉球大学 医学部 第1外科), 久田 正昭(琉球大学 医学部 第1外科), 白石 祐之(琉球大学 医学部 第1外科), 西巻 正(琉球大学 医学部 第1外科) |
抄録 |
〈はじめに〉ラジオ波焼灼療法(以下RFA)は肝細胞癌の局所治療として有効であるとされており、肝動脈塞栓術(以下TAE)の併用によって腫瘍壊死効果が高くなることが報告されている。今回私達はRFA前後に、TAEを施行することにより、大型肝細胞癌に対して良好な治療効果が得られたので報告する。〈症例〉52歳、男性。〈主訴〉特になし。〈既往歴〉18歳時腹部刺傷され、輸血施行 35歳 糖尿病 45歳 高血圧症 47歳B型肝炎〈現病歴〉平成14年5月 左背部痛にて近医受診。CTにて肝S5-8に5cm大の腫瘤像、また、S7に下大静脈近傍に広く接する5cm大の腫瘤像を認め、6月 精査目的に同院入院。肝細胞癌の診断であったが、ICG15分値 20%で、手術適応はなく、7/16 肝S5-8、7の肝細胞癌に対し、TAEを施行。7/30 follow CTにて、残存病変を認めたため、RFAを含めた加療目的に8/12 当科外来受診し、8/21入院。〈入院後経過〉肝S5-8、7の肝細胞癌に対して、8/22 TAE施行。8/28 開胸下RFA施行。第7肋間より開胸。胸水は認めず、片肺換気とし、横隔膜を約9cm切開した。LeVeen needleにてUSガイド下RFAを施行。開胸後の軽度胸水貯留および無気肺を認めるも、いずれも術後の発熱およびtransamynaseの上昇は軽度であった。Follow CTにてS5-8の肝細胞癌に対するRFAの効果は良好であったが、S7に関しては一部効果不良であった。再度9/9 TAEを施行。S7への栄養血管を同定できず、 S5-8にのみ追加塞栓術を施行。術後一過性のtranamynaseの上昇をみとめた。術後経過良好にて10/1退院。〈まとめ〉今回の症例ではRFAの前後にTAEを施行することによって、大型肝細胞癌に対する新たな治療法の一つとしての可能性が示唆されたと考えられた。 |
索引用語 |
幹細胞癌, RFA |