セッション情報 |
パネルディスカッション7(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器外科学会合同)
EUS-FNA関連の手技と工夫≪ビデオ≫
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タイトル |
内PD7-9:Convex型EUSによる腹腔神経節描出のコツと腹腔神経節ブロックの治療成績
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演者 |
土井 晋平(岐阜大・1内科) |
共同演者 |
安田 一朗(岐阜大・1内科), 森脇 久隆(岐阜大・1内科) |
抄録 |
【目的・方法】(1)2009年5月から2010年11月まで当院でConvex型EUSを施行した連続249例に対し腹腔神経節(CG)の描出と所見の解析を前方視的に行った。 (2)2011年1月までに施行した腹腔神経節ブロック(EUS-CGN)の治療効果を調査した。【結果】(1)対象249例のうち腹腔神経節が描出されたのは245例(98.4%)。描出されたCGは合計541個、平均2.2個(1-5個)。大きさ(平均)は長径11.4mm(3-28mm)、短径3.4mm(1-10mm)。形態は結節が連なった芋虫様(Worm-like)が最も多く342個(63.2%)、次いで単一結節状(Nodular)が170個(31.4%)、扁平状(Discoid)が29個(5.3%)。描出領域は腹腔動脈(CA)根部頭側の正中34個(6.3%)、左側22個(4.1%)、CA根部下方の正中22個(4.1%)、左側463個(85.6%)。走査のコツは、左副腎と大動脈の間にまず代表的なCGをみつけ、さらにこの頭・尾側を観察するとよい(CGをつなぐ神経枝と思われる低エコーの糸状構造物が82.2%に描出)。 (2)30例にEUS-CGNを施行。CGの描出・穿刺は全症例で成功、平均16.3ml(5-20ml)のエタノールを注入。術後CTで、薬剤は14例(46.7%)でCAの両側に、16例(53.3%)で左側のみに分布。合併症は下痢を6例(20%)、術後疼痛増強・徐脈・血圧低下をそれぞれ1例に認めたが、いずれも一過性に消退。VASによる効果判定は、有効22例(73.3%)、著効(VAS1以下)14例(46.7%)。著効例は中央値68.5日(25-576日)効果が持続し、その間麻薬性鎮痛剤の新規投与および増量を要さなかった。【結語】CGは限られた領域に描出されることと、その形態的特徴を念頭におき走査を行うことが描出のコツと考えられた。描出できればEUS-CGNの手技は比較的容易であるが、CGの多くは左側に描出されるため薬剤分布は必然的に左側に偏る傾向があった。 |
索引用語 |
EUS-CGN, Ganglia |