セッション情報 |
パネルディスカッション8(消化器内視鏡学会・消化器病学会合同)
NSAIDs腸病変の新たな展開
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タイトル |
内PD8-3:NSAIDs起因性小腸病変の臨床的検討
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演者 |
小西 洋之(東京女子医大・消化器病センター) |
共同演者 |
中村 真一(東京女子医大・消化器病センター), 白鳥 敬子(東京女子医大・消化器病センター) |
抄録 |
【目的】小腸内視鏡の普及によりNSAIDsや低用量アスピリン(LDA)起因性小腸病変が高頻度に発生することが明らかになったが、内視鏡診断や臨床経過に関しては未だ十分に解明されていないのが現状である。今回当院でダブルバルーン内視鏡(DBE)を施行したNSAIDs起因性小腸病変の内視鏡所見と臨床的特徴を明らかにするため検討を行った。【方法】2005年1月から2011年3月までに当院でDBE を施行しNSAIDs起因性小腸病変と診断した21例を対象とし内視鏡所見と臨床経過について検討した。診断はNSAIDs投与歴があり、他疾患が除外(病理組織学的、細菌学的除外診断を含む)されている病変とした。【結果】平均年齢は77.1歳、男性12例、女性9例。整形疾患等に対するNSAIDs内服例が17例、抗血栓療法としてのLDA内服例が5例(併用1例)であった。検査契機は原因不明消化管出血(OGIB)が20例、腹痛精査が1例であった。全例で病変は多発し、部位は空腸4例、回腸13例、空回腸4例であった。肉眼形態はびらん13例、類円形潰瘍6例、不整形潰瘍5例、輪状潰瘍3例、膜様狭窄2例(重複あり)であった。形態と病変部位、薬剤の種類、服用期間に関しては一定の傾向はなかった。膜様狭窄をきたした2例はいずれも長期間複数のNSAIDs使用歴があった。臨床経過に関しては、NSAIDs中止可能な8例は再出血を認めなかった。薬剤中止不可能例や再開した症例で4例(LDA2例)に再出血を認めた。再出血例の肉眼形態は輪状潰瘍1例、不整形潰瘍1例、小びらん2例であった。【結論】NSAIDs起因性小腸病変の内視鏡所見は多彩であり、膜様狭窄は特徴的といえるが、小病変と非特異的病変の形態学的な鑑別は難しい。また微小なびらんでも出血源になりえると推測され肉眼形態から臨床経過を推測するのも困難と考える |
索引用語 |
NSAID起因性小腸病変, 小腸内視鏡 |