セッション情報 | パネルディスカッション8(消化器内視鏡学会・消化器病学会合同)NSAIDs腸病変の新たな展開 |
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タイトル | 内PD8-14:ミトコンドリア由来O2-制御によるNSAIDs腸炎の予防と治療 |
演者 | 松井 裕史(筑波大大学院・人間総合科学研究科) |
共同演者 | 金子 剛(筑波大大学院・人間総合科学研究科), 溝上 裕士(筑波大大学院・人間総合科学研究科) |
抄録 | 【背景・目的】NSAIDs起因性消化管傷害は、COX阻害によるPGE2量減少がもたらすとされてきた。しかしCOX2選択的阻害剤と非選択的COX阻害剤間で消化管有害事象発生に有意差を認めないこと(FDA 3677b104stats、2003)、NSAIDs腸炎は酸と関係なく発症することなど、COX阻害と異なる消化管傷害発症機序が示唆されている。我々は現在まで、NSAIDs投与がミトコンドリアから活性酸素を放出させ、胃粘膜傷害を惹起することを報告してきた。今回我々はマウス小腸粘膜を直接観察し、NSAIDs投与と活性酸素の関係を明らかにする。さらにNSAIDs投与によるミトコンドリア傷害由来の活性酸素種の同定と、その消去による病変の予防・治療法の提案を行う。 【方法】a) in vitro: 小腸粘膜培養系IEC6細胞にIndomethacinを投与し、発生する活性酸素種をESR法で決定した。抗酸化作用の報告があるLansoprazole、rebamipideを前投与し、活性酸素量の変化とMnSOD活性を測定した。b) in vivo ICRマウスを麻酔下に開腹し、小腸粘膜を経時的に観察可能な実験系を確立した。Indomethacin を投与した上で、粘膜上の死細胞をPIで、細胞内活性酸素をHPFで染色し、経時的変化を観察・測定した。上記実験開始6時間前にLansoprazole、rebamipideを投与し、傷害への効果とMnSOD活性を測定した。 【結果】NSAIDs投与はO2-産生を惹起した。Lansoprazole、rebamipideは細胞、粘膜のO2-量を抑制し、細胞・粘膜傷害を抑制した。Rebamipideは細胞・粘膜にMnSODを誘導した。 【結語】NSAIDs腸炎発症にはミトコンドリア由来活性酸素が関与する。ミトコンドリア特異的SODを誘導する薬剤はNSAIDs腸炎の予防と治療に有用である。 |
索引用語 | 活性酸素, ミトコンドリア |