セッション情報 |
パネルディスカッション9(消化器病学会・消化器内視鏡学会・消化器外科学会・消化器がん検診学会合同)
膵管癌の危険因子と早期診断
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タイトル |
消PD9-1:家族歴、既往歴を中心とした膵癌の危険因子の検討
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演者 |
清水 京子(東京女子医大・消化器内科) |
共同演者 |
高山 敬子(東京女子医大・消化器内科), 白鳥 敬子(東京女子医大・消化器内科) |
抄録 |
【目的】膵癌は早期発見が困難できわめて予後の悪い疾患である。膵癌の危険因子の解明は予後の改善に重要で、糖尿病、喫煙、膵癌の家族歴などの膵癌発症の危険因子を有する症例への注意が早期発見に役立つと考えられる。【方法と結果】2006年1月から2010年12月までの当科における膵癌患者221例について、第一度近親者までの家族歴、既往歴を検討した。膵癌221症例の平均年齢は67.0歳で、発見の契機として有症状での来院が181例(81.9%)、無症状は40例(18.1%)、そのうちstage III以下の症例は10.4%、stage IVa以上は89.6%であった。家族の癌罹患人数は0人(56.1%)、1人(27.1%)、2人(11.3%)、3人(3.2%)、4人(2.3%)で、その内訳は胃癌19.4%、大腸癌8.1%、膵癌7.2%、乳癌3.6%、肺癌1.8%であった。第二度近親者を含めると膵癌の家族歴を有するものは9.5%であった。患者本人の既往歴として、最も多いものは糖尿病で30.3%、ついでIPMNは13.1%であった。癌の既往歴としては乳癌が最も多く3.6%、ついで卵巣癌1.3%、前立腺癌1.3%であった。年齢も膵癌の危険因子のひとつであるが、初発年齢が49歳以下(36-47歳)の若年発症例が10例存在し、膵癌の危険因子について50歳以上での発症例と比較した。若年発症例におけるIPMN合併例の膵癌のOdds比は3.05(0.74-12.53、p=0106)、糖尿病合併例のOdds比は0.76(0.16 -3.66, p=0.729)、膵癌の家族歴を有する場合のOdds比は3.52(0.68-18.16, p=0.111)で、若年発症例と50歳以上の発症例では危険因子に有意差は認められなかった。【結語】家族の癌の罹患者数、膵癌の家族歴、糖尿病やIPMNの合併、乳癌や卵巣癌などの癌の既往歴のある場合には膵癌の高リスク群として注意を喚起する必要がある。 |
索引用語 |
家族歴, 既往歴 |