セッション情報 パネルディスカッション9(消化器病学会・消化器内視鏡学会・消化器外科学会・消化器がん検診学会合同)

膵管癌の危険因子と早期診断

タイトル 内PD9-15追3:

小膵癌診断におけるENPD留置による連続膵液細胞診の有用性

演者 斎 宏(広島赤十字・原爆病院・消化器科)
共同演者 古川 善也(広島赤十字・原爆病院・消化器科), 花ノ木 睦巳(広島赤十字・原爆病院・消化器科)
抄録 【目的】膵癌診断における画像診断の進歩は目覚ましいものがあるが、現実には画像診断だけでは診断に苦慮する症例が存在する。特に、膵頭部病変は治療的診断とするには手術侵襲が大きく確実な診断が必要とされる。また、膵癌は極めて予後不良であり早期診断が重要である。そのため我々は、早期確定診断目的に、ENPDを留置し3日間連続で細胞診を行っている。今回、小膵癌診断に対する連続細胞診の有用性の検討を行った。【方法】2005年5月から2009年6月に当院でENPD留置による膵液細胞診を行い診断確定した175例(男性100例、女性75例、年齢66.7±10.4歳、通常型膵癌58例、IPMC 13例、その他悪性4例、良性100例)を対象とした。細胞診は原則3回行い、陽性を検出したものを細胞診陽性、陽性を除く症例で疑陽性を検出したものを疑陽性、全て陰性であったものを陰性とし、細胞診の回数別・腫瘍サイズ別のsensitivity・specificity、合併症等の検討を行った。【成績】膵癌におけるsensitivityは0.90であった(陽性45例、疑陽性20例、陰性5例)。回数別のsensitivity は1回目のみが0.46、2回目までが0.68、3回目までが0.83で、連続細胞診で有意にsensitivity 向上を認めた(p<0.001)。良性で細胞診陽性はなくspecificityは1であった。通常型膵癌の腫瘍サイズ別sensitivityは、Tis(3例)・TS1(10例)は1、TS2(31例)は0.96、TS3(10例)は0.71、TS4(4例)は0であり、小膵癌において有意にsensitivityが高かった(p=0.004)。細胞診陽性のIPMCは主膵管型4例と分枝型3例で、そのうち5例は上皮内癌であった。合併症は膵炎を12例(6.5%)に認めたが、全て軽症膵炎であった。【結論】ENPD留置による膵液細胞診は、繰り返し検査をすることで有意な感度向上を認めた。また、小膵癌で有意に高感度であり、早期の確定診断方法として有用と考えられた。
索引用語 膵癌, ENPD