セッション情報 |
パネルディスカッション10(消化器病学会・肝臓学会・消化器外科学会合同)
消化器疾患における分子標的治療
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タイトル |
外PD10-3:切除不能・転移性消化管間質腫瘍に対するイマチニブ治療-二次耐性と増悪腫瘍切除
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演者 |
神田 達夫(新潟大大学院・消化器・一般外科学) |
共同演者 |
石川 卓(新潟大医歯学総合病院・腫瘍センター), 畠山 勝義(新潟大大学院・消化器・一般外科学) |
抄録 |
【背景】転移性・再発性GISTにおける分子標的治療では、長期の奏効後に増悪に転じる二次耐性という現象が知られ、その克服が臨床的課題となっている。【目的】イマチニブ二次耐性への外科治療成績とその臨床的意義を明らかにする。【患者】2011年2月までに新潟大学医歯学総合病院でイマチニブ二次耐性に対して治療を受けた切除不能・転移性GIST患者43名。男性29名、女性14名。耐性診断時の年齢の中央値は66歳(44~84歳)であった。【方法】診療録、患者ファイルをもとに二次耐性腫瘍切除の外科成績を分析した。また、Kaplan-Meier分析、多変量解析を用いて、臨床病理学的因子および治療内容が患者予後に与える影響を分析した。加えて、切除標本から二次耐性腫瘍のKIT遺伝子分析を行った。【結果】二次耐性診断時の増悪腫瘍の分布は3個以上が18名、2個以内が25名と58%の患者が限局性の増悪形式を示した。全43名中20名に、計36回の腫瘍切除が行われた。切除術の内訳は、腫瘍摘出13回、肝切除12回、小腸・結腸切除術8回、その他5回であった。36手術中28手術(78%)で増悪病変の完全切除が行われた。術後入院期間の中央値は16日(7~70日)であった。術後合併症は7例(19%)に認められた。術後無増悪期間の中央値は8か月(1~71か月)と短かったが、2年全生存率は55%であり、無治療やスニチニブ治療に比べて良好であった。患者背景、腫瘍分布、治療手段など21項目による多変量解析では、前治療期間(21か月以上)、腫瘍径(5.0 cm 以内)、二次耐性腫瘍切除がイマチニブ二次耐性患者における有意な予後良好因子であった。KIT遺伝子分析を行った35腫瘍中25腫瘍で、KITキナーゼ領域の点変異による付加的遺伝子異常(二次変異)が認められた。うち13腫瘍がin vitro でスニチニブ抵抗性を示すKITキナーゼのactivation loop 領域の変異を示した。【結語】イマチニブ二次耐性腫瘍切除は、無増悪期間は短いものの、集学的治療の一手段として患者予後を改善する。 |
索引用語 |
GIST, イマチニブ |