セッション情報 |
パネルディスカッション10(消化器病学会・肝臓学会・消化器外科学会合同)
消化器疾患における分子標的治療
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タイトル |
消PD10-6:進行大腸癌の抗癌剤治療における分子標的治療薬の有効性―特にbevacizumab併用の有効性について
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演者 |
傳田 忠道(千葉県がんセンター・消化器内科) |
共同演者 |
滝口 伸浩(千葉県がんセンター・消化器外科), 山口 武人(千葉県がんセンター・消化器内科) |
抄録 |
【背景】進行大腸癌の化学療法は2005年4月にFOLFOX、2007年6月にbevacizumab、2008年9月にcetuximab、2010年6月にpanitumumabが保険適用となり、新規抗癌剤と分子標的治療薬の併用により生存期間は延長した。しかし、多数例で有効性を検討した報告は少ない。【目的】進行大腸癌の抗癌剤治療の生存期間を治療開始日で2年ごとに前期・中期・後期の3郡に分けて検討した。【方法】2005年4月から2011年3月まで当院で抗癌剤治療を行った進行大腸癌患者をretrospectiveに検討した。1次・2次治療はFOLFOXまたはFOLFIRIにbevacizumabの併用例が多く、3次治療で抗EGFR抗体薬(cetuximabまたはpanitumumab)を使用した。生存期間はKaplan-Meier法で算出し、有意差の検定はlog rank testを用いた。【結果】対象症例は404人であった。年齢中央値:62歳(15-84歳)、男/女:264/120、結腸癌/直腸癌:225/179、原発あり/なし:107/297、腹膜播種あり/なし:59/345。 全症例の生存期間の中央値は27.9か月であった。治療開始日を2005-2006年、2007-2008年、2009-2011年で2年ごとに前期・中期・後期で区切ると、生存期間の中央値は25.7か月/28.8か月/未到達であり、各期間で有意な差を認めた。 Bevacizumabの投与は39%/67%/78%と中期から後期にかけて投与症例は増加していた。抗EGFR抗体薬は20%/36%/17%であり後期の症例は2010年4月からはKRAS遺伝子野生型に限るようになりさらに治療期間から3次治療に移行している症例はまだ少数であった。【結論】進行大腸癌の化学療法は新規抗癌剤に加え分子標的治療薬が使用できるようになり生存期間は延長していた。特に中期から後期にかけてbevacizumab投与症例が増加するに従って生存期間が延長した。 |
索引用語 |
大腸癌, 化学療法 |