セッション情報 |
シンポジウム15(消化器外科学会・消化器病学会合同)
下部直腸癌側方リンパ節転移に対する診断と治療方針
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タイトル |
外S15-4:直腸癌側方リンパ節転移診断におけるMRIの有用性と問題点
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演者 |
大田 貢由(横浜市立大・消化器・腫瘍外科) |
共同演者 |
藤井 正一(横浜市立大市民総合医療センター・消化器病センター), 遠藤 格(横浜市立大・消化器・腫瘍外科) |
抄録 |
【背景】直腸癌における側方リンパ節郭清の適応を決定するため,適中率の高い術前画像診断が必要である.MRIは骨盤内リンパ節の転移を診断するのに有用という報告もあるが,臨床における問題点については十分解析されているとはいえない.【目的】下部直腸癌における側方リンパ節転移診断におけるMRIの有用性と問題点を明らかにする.【方法】対象は2008年から2011年まで下部直腸癌に対して側方郭清を施行した81例.術前にMRIをおこない,側方リンパ節転移の有無を確認した.大きさにかかわらず側方領域に明らかなリンパ節を認めた場合に転移陽性と判断し,長径および日本大腸癌取扱い規約に準じた転移部位を記録し,prospectiveなデータベースを作成した.【結果】術前に側方リンパ節転移陽性と診断した症例が34例(42.0%),術後側方リンパ節転移が陽性であった症例は16例(19.8%)であった.両側の側方リンパ節転移を認めた症例は16例中2例(12.5%)で,いずれもMRIでは片側のみ陽性と診断されていた.MRI診断の感度は0.75,特異度は0.66であった.MRIで転移陽性としたリンパ節の長径は平均10.3mm(4-23)で,10mmを転移陽性のcut off値と設定した場合の感度は0.625,特異度は0.877であった.正診できた12例中転移部位が一致していた症例は7例であり,不一致5例の内,3例は263Dと283の相違であった.【結語】側方リンパ節転移に対するMRI診断能は最大感度が75%で,不要な郭清をなるべく省略するため長径10mmをcut offとすることで特異度を約90%にすることが可能であるが,その際の感度は約60%にとどまる.術前の画像と術中の転移リンパ節の部位診断は必ずしも一致せず,術前のリンパ節転移部位診断に基づいて部分郭清をおこなうことは困難と考えられる. |
索引用語 |
直腸癌, MRI |