セッション情報 |
パネルディスカッション10(消化器病学会・肝臓学会・消化器外科学会合同)
消化器疾患における分子標的治療
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タイトル |
肝PD10-12:進行肝細胞癌に対するソラフェニブの予後因子の解析
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演者 |
河岡 友和(広島大大学院・分子病態制御内科学) |
共同演者 |
相方 浩(広島大大学院・分子病態制御内科学), 茶山 一彰(広島大大学院・分子病態制御内科学) |
抄録 |
【目的】進行肝細胞癌(肝癌)に対するソラフェニブ治療症例の予後因子の解析を行った.【対象と方法】対象は、2010年12月までに、ソラフェニブを投与された進行肝癌52例。平均年齢65.2歳,Child A/B 46/6例,PS0/1/2/3:38/9/2/3例.Stage III/IVa/IVb :11/9/32例,主腫瘍径中央値48mm,単/多発:7/45,Vp0/1/2/3/4:31/1/6/7/7.AFP 457.4ng/ml、DCP 3702mAU/ml(中央値)。全例800mg/日で開始.RESIST,mRESISTによる効果判定,無増悪期間(TTP),生存期間(MST)および生存に寄与する因子について解析を行った.【結果】観察期間中央値138日.ソラフェニブ2か月以上投与された37例(71.1%)の効果判定(CR/PR/SD/PD/効果判定不能,奏功率,病勢制御率)は,RESIST 0/0/25/10/2,0%,68%,mRESIST1/2/22/10/2,3%,68%であった.2ヶ月以内中止15症例の中止理由は,病勢進行 8例 (53%),副作用中止5例(33%),その他2例(14%).全症例のMST4.6カ月,TTP3.6カ月.生存に寄与する因子として,多変量解析では,2か月以上内服(HR 43.6,P= 0.00001),Child A(HR 16.6,P =0.01),主腫瘍径<50mm(HR 7.6,P=0.01)が抽出された.Child A 46例での解析では,MST8.9カ月,生存に寄与する因子として,2か月以上内服(HR39.4,P<0.0001),主腫瘍径<50mm(HR8.6,P<0.0001),PS0 (HR5.0 P =0.005)が抽出された.【結語】進行肝癌に対するソラフェニブ治療による生命予後改善のために、適切な対象症例の選択と副作用マネージメントによる長期投与の必要性が示された。また,肝主腫瘍径は予後因子として重要であり,ソラフェニブ単独治療の限界も示唆された. |
索引用語 |
肝細胞癌, ソラフェニブ |