セッション情報 |
パネルディスカッション13(消化器外科学会・消化器病学会・肝臓学会合同)
肝転移の治療
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タイトル |
外PD13-10:切除不能大腸癌肝転移のConversion therapyにおけるラジオ波凝固療法の有用性
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演者 |
美馬 浩介(熊本大大学院・消化器外科学) |
共同演者 |
別府 透(熊本大大学院・消化器外科学), 馬場 秀夫(熊本大大学院・消化器外科学) |
抄録 |
【目的】大腸癌肝転移に対して肝切除を主軸とし、新規化学療法・分子標的治療・ラジオ波凝固療法(RFA)を加えた集学的治療を行っている。今回、切除不能大腸癌肝転移のConversion therapyにおけるラジオ波凝固療法の有用性を検討した。【現在の治療方針】H2、H3の肝単独転移では、臨床試験に登録し、術前に化学・分子標的治療を先行する。切除可能例では肝切除を先行し、術後にFOLFOXを6コース行う。切除不能あるいは肝外転移併存例では化学 ・分子標的治療を先行し、根治治療が可能となった時点で速やかに肝切除 (+RFA)を施行する。【対象】2005年5月から2010年12月までに切除不能あるいは肝外転移を有する大腸癌肝転移118例に対してFOLFOX±ベバシズマブを導入し,48例(41%)に肝切除を行った。そのなかで、肝切除のみを施行した35例(HR群)とRFA併用肝切除を施行した13例(HR+RFA群)を比較検討した。【結果】1.RFAを併用することにより、FOLFOX±ベバシズマブ導入後の切除率は肝切除単独29%から41%へ向上した。2.出血量中央値(HR群395 ml vs. HR+RFA群421 ml)、平均手術時間 (HR群433 min vs. HR+RFA群411 min)、合併症頻度 (HR群17% vs. HR+RFA群23%)に差は認めなかった。3.平均観察期間は31カ月で、3年累積無増悪生存率(HR群44% vs. HR+RFA群13%)、3年累積生存率(HR群67% vs. HR+RFA群77%)であった。4.RFAを計64結節に施行した。RFAを施行した腫瘍数中央値は2個(1-17)、腫瘍径中央値は13.5mm(5-25)であった。治療部位再発は1結節(1.6%)と低率であった。【結語】肝切除にRFAを併用することにより大腸癌肝転移に対する肝切除の適応拡大が期待される。 |
索引用語 |
大腸癌肝転移, ラジオ波凝固療法 |