セッション情報 シンポジウム15(消化器外科学会・消化器病学会合同)

下部直腸癌側方リンパ節転移に対する診断と治療方針

タイトル 外S15-7:

直腸癌側方リンパ節転移診断の検討

演者 松岡 弘芳(杏林大・外科)
共同演者 正木 忠彦(杏林大・外科), 杉山 政則(杏林大・外科)
抄録 【目的】直腸癌側方リンパ節転移の至適診断基準を明らかにする。【対象・方法】側方郭清を施行した30例の直腸癌手術例の側方リンパ節標本を顕微鏡下に検討を行った。転移陽性・陰性例に分けリンパ節のサイズ、形状、内部構造について検討した。骨盤MRI検査・病理標本の結果をもとに画像上の術前至適診断基準の検討を行った。至適診断基準の決定では、ROC曲線を用い、特に曲線下面積の最も高いものを至適診断基準と判定した。【結果】検討対象側方リンパ節は363個(転移陽性リンパ節14個・転移陰性リンパ節319個)で、サイズ、形状、内部構造の検討では、リンパ節の長径(9.4 vs. 4.2)と短径(6.3 vs. 2.2)が転移陽性リンパ節で有意に長かった。更に長径短径比について長径短径比2以下のものが転移陽性例で有意にその割合が高かった。形状に関しては両群で有意差を認めなかった。内部構造に関しては転移陽性リンパ節では有意に内部構造不均一を呈していた(13 vs. 349)。術前MRI画像におけるROC曲線下面積による検討では、リンパ節短径(0.66)、内部構造(0.63)、長径短径比(0.63)、長径(0.63)とリンパ節短径を用いる場合が最も診断能が良好で、更に短径で5mm以上の場合が感度57%、特異度81%、正診率76%と最も診断能が高かった。【結語】直腸癌術前MRI側方転移リンパ節診断における至適診断基準は短径5mmが妥当であると考えられた。
索引用語 側方リンパ節, MRI