セッション情報 パネルディスカッション13(消化器外科学会・消化器病学会・肝臓学会合同)

肝転移の治療

タイトル 消PD13-15:

膵臓癌肝転移に対する動注療法

演者 平山 敦(札幌厚生病院・2消化器科(胆膵科))
共同演者 長川 達哉(札幌厚生病院・2消化器科(胆膵科)), 宮川 宏之(札幌厚生病院・2消化器科(胆膵科))
抄録 <目的>膵癌肝転移に対する血流改変術(AR)+動注化学放射線療法(IACRT),化学放射線療法(CRT),Gemcitabine(GEM)単剤(CT)の比較を行い,その適応について考察する.<対象と方法>2003-2007年の切除不能膵癌157例を対象とした.その臨床的効果(予後,奏功率)について,AR+IACRT35例(StageIVa15例,StageIVb20例),CRT35例(StageIVa32例,StageIVb3例),CT87例(StageIVa36例,StageIVb51例)の比較検討を行った.動注はGEM200-1000mg/body 1hrとCDDP10mg/body 30minを2週間に1回の間隔でリザーバーから投与,放射線は原発巣に対し1回2.5Gyを週4回,4週間かけて計40Gy照射した.CRTは放射線を40Gy照射後GEM1g/bodyを3投1休で施行した.CTはGEM1g/bodyを3投1休で施行した.<結果>AR+IACRT,CRT,CTの臨床成績は奏効率68.6%,5.7%,8.0%,生存期間中央値(MST)513.7日,414.4日,303.2日,2年生存率14.3%,8.6%,3.4%という結果であった.次いで肝転移+or-,神経叢浸潤(PL)+or±or-に分類しAR+IACRT,CRT,CT間で比較検討した.AR+IACRTは肝転移に有効.またPL+ではAR+IACRTの有意性が少なかった. またセカンドラインとしてGEMの動注時間を1hrから8hrに変更し投与したところ全ての症例で再び効果発現(腫瘍マーカーの減少:全例、肝転移縮小:1例 全6例)した。今後投与時間の差で検討する必要があると考える.<結論>AR+IACRTは原発巣,特に肝転移巣に高い腫瘍縮小効果があり,CRT,CTに比して著明な予後改善効果があった.膵臓癌肝転移は動注の投与時間の差で効果にも差が現れると考えられた.
索引用語 膵臓癌, 動注