セッション情報 |
パネルディスカッション15(消化器病学会・消化器内視鏡学会・消化器外科学会合同)
食道癌に対する内科的治療と外科的治療の接点
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タイトル |
内PD15-3:術前深達度MM-SM1食道表在癌に対する内視鏡切除術
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演者 |
澤井 寛明(静岡がんセンター・内視鏡科) |
共同演者 |
田中 雅樹(静岡がんセンター・内視鏡科), 小野 裕之(静岡がんセンター・内視鏡科) |
抄録 |
【目的】食道表在癌における術前深達度MM-SM1診断の精度は50-60%であり、手術・化学放射線療法のいずれもover treatmentになる可能性があるため、診断的な内視鏡切除を先行することで、適切な治療戦略を選択できる可能性がある。今回我々は自験例から、術前深達度MM-SM1食道表在癌に対する内視鏡切除の妥当性を検討することを目的とした。【方法】2005年1月から2009年12月に当院で内視鏡切除を施行した240症例312病変のうち、以下の項目(扁平上皮癌、術前深達度MM-SM1、化学放射線療法後・局所遺残再発例を除く)を満たす49症例51病変を対象とし、1:患者・病変背景と内視鏡切除の成績、2:病理結果と治療後の経過 について検討を行った。【成績】結果1:術前深達度はMM/SM1:33/18、内視鏡切除の内訳はESD/EMRC:45/6であった。一括切除率はESD/EMRC:97.8%/66.7%で、合併症として縦隔気腫を3例(5.4%)に認めた。結果2:病理学的深達度はLPM/MM/SM1/SM2-:16/15/6/14で、脈管侵襲を13例に認めた。内視鏡切除のみで治癒となった症例を27例(52.9%)に認め、追加治療の適応と判断された(MMかつ脈管侵襲陽性、SM1以深)24例のうち、14例に化学放射線療法、1例に放射線療法を施行した。追加治療を行わなかった理由は、患者希望5例、他癌合併2例、肝硬変1例、高齢1例であった。内視鏡切除の影響により追加治療が導入出来なかった症例は認めず、化学放射線療法例のうち12例は治療を完遂した。【結論】術前診断MM-SM1病変における内視鏡切除の一括切除率は高く、合併症の頻度は許容範囲と考えられた。また内視鏡切除の影響で、追加治療が導入出来なかった症例はなく、化学放射線療法もほぼ安全に施行可能であった。以上より術前深達度MM-SM1病変に対する診断的な内視鏡切除は忍容可能と考える。 |
索引用語 |
食道癌, 内視鏡切除 |