セッション情報 パネルディスカッション17(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器外科学会・消化器がん検診学会合同)

胃癌の時代的変遷と将来展望―内視鏡医の視点

タイトル 内PD17-4:

切除例からみた早期胃癌の時代的変遷

演者 長浜 孝(福岡大筑紫病院・消化器内科)
共同演者 田邉 寛(福岡大筑紫病院・病理部), 松井 敏幸(福岡大筑紫病院・消化器内科)
抄録 【目的】早期胃癌の時代的変遷を明らかにする事.【対象】当院で1991年から1996年までの6年間(旧時代),2005年から2010年までの6年間(新時代)に,内視鏡的または外科的に切除された早期胃癌812症例,938病変.【方法】旧時代と新時代に治療された病変の1)臨床病理学的事項,2)多発性について比較検討.【成績】1)臨床病理学的事項の比較(旧時代 vs 新時代)では,性差(男:女)は189:97 vs 384:142で差はなかった.年齢(歳)は63±12 vs 69±11で新時代は高齢化していた(p<0.00001).占拠部位(U:M:L:残遺/胃管)は34:104:189:3 vs 91:280:227:10でU,M領域の増加を認めた(p=0.04, p<0.00005, p<0.00001, NS).腫瘍径(mm)は24.4±19 vs 22.3±18で新時代の腫瘍径が小さな傾向であった(p=0.09).肉眼型(0I,0IIa系:0IIc,0III系: 0-IIb,随伴IIb系)は34:104:189:3 vs 91:280:227:10で0-IIb,随伴IIb系の増加を認めた(NS, p<0.005, p=0.0001).壁深達度(m:sm)は222:108 vs 447:161でm癌が増加していた(p=0.04).組織型(高~中分化腺癌主体:超高分化腺癌主体:低分化腺癌,印環細胞癌主体)は230:12:88 vs 417:101:90で超高分化腺癌が増加し,未分化型癌が減少していた(NS, p<0.00001, p<0.00001).2)病理組織学検索で診断された多発癌の頻度(旧時代vs 新時代)は12.2%(35/286症例) vs 12.7%(67/526症例)で差はなかったが,術前に発見された多発病変の頻度は73.4%(58/79病変) vs 92.6%(139/150病変)と,新時代の発見率が有意に増加していた(p<0.0001).【結語】新時代の早期胃癌は旧時代と比較して明らかな変化を認め,高齢化社会と内視鏡診断の進歩を反映したものと推定された.
索引用語 早期胃癌, 変遷