セッション情報 |
パネルディスカッション18(消化器病学会・消化器内視鏡学会・消化器外科学会合同)
新重症度基準からみた重症急性膵炎の診療
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タイトル |
消PD18-15追3:急性膵炎におけるCT下穿刺を用いた後腹膜潅流法
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演者 |
竹口 英伸(市立四日市病院・消化器科) |
共同演者 |
小林 真(市立四日市病院・消化器科), 矢野 元義(市立四日市病院・消化器科) |
抄録 |
【目的】急性膵炎において後腹膜に炎症が及び壊死に陥ると、難治性の感染等重篤な病態を引き起こすことが多い。われわれは後腹膜の壊死を予防するために、重症と判定された症例を中心に、膵炎発症極早期においてCTガイド下に後腹膜にピッグテールカテーテルを留置し、ドレナージおよび蛋白分解酵素阻害剤を直接投与する治療法を行っている。【方法】発症早期から膵背側の後腹膜(左前傍腎腔)に液体貯留を認めた急性膵炎3例(重症2例)に対して治療を施行した。超音波では認識困難でありIVR-CTを用いてCTガイド下穿刺を行った。体表マーカーにより穿刺位置と方向を決定し、CT下に18Gのプラスティックカニューレ針を後腹膜に穿刺した。ガイドワイヤーを用いて7Fr.ピッグテールカテーテルを留置し、排液を行い抗生物質および蛋白分解酵素阻害剤を潅流した。【結果】後腹膜腔は腔が小さく通常量の潅流は困難であるため抗生剤(PAPM/BP)、蛋白分解酵素阻害剤(Ulinastatin)を50mlの生食に溶解し後腹膜に注入し潅流を行った。Nafamostat msilateは薬理的に炎症を惹起する危険性があり今回は使用しなかった。3例とも治療開始直後より自覚症状は改善し、炎症反応、画像上とも改善した。後腹膜潅流療法の施行期間は平均7.7日であり、チューブ留置期間は8.3日であった。後腹膜は呼吸性変動が少ないため、十分な液体貯留があれば左前腎傍腔の穿刺は困難ではなかった。retrospectiveにみて画像上後腹膜穿刺が可能な39例(非施行36例(重症11例:31%)・後腹膜潅流施行3例(重症2例:66%))での検討では、CRP陰転化までの日数は非施行例20.2日に対し施行例10.6日(p<0.05)、平均在院日数も非施行例15.6日に対し施行例29.0日(p<0.05)であった。【結論】急性膵炎発症の極早期において、後腹膜の炎症が強い症例に対しCT下穿刺を用いドレナージおよび薬物治療が行った。後腹膜腔の壊死を予防し経過を改善させた可能性が考えられた。 |
索引用語 |
急性膵炎, 後腹膜潅流法 |