セッション情報 |
パネルディスカッション19(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器外科学会合同)
生物学的製剤時代におけるIBDの治療とその選択-粘膜治癒と長期的展望
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タイトル |
内PD19-2:当院における難治性潰瘍性大腸炎に対するインフリキシマブの臨床成績
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演者 |
佐久間 大(昭和大豊洲病院・内科) |
共同演者 |
林 量司(昭和大豊洲病院・内科), 松川 正明(昭和大豊洲病院・内科) |
抄録 |
【目的】2010年6月より難治性潰瘍性大腸炎に対してインフリキシマブ(IFX)の投与が新たに承認された。当院で18例の難治性潰瘍性大腸炎に対してIFXを投与し寛解導入、寛解維持の有用性を検討したので報告する。【方法】ステロイド治療抵抗性を認め、治療法としてIFX投与を行った18例(ステロイド抵抗性8例、ステロイド依存性10例)を対象とした。IFX 5mg/kgを0,2,6週に投与し、有効例において以後8週間隔で投与した。治療効果判定はclinical activity index(CAI)を用い、CAIスコアが4以下を寛解、4点以上改善したものを有効とした。【結果】IFX投与後8週で、18例中12例(66.7%)で寛解導入可能であった。寛解導入に要した平均日数は5.2日であった。さらに12例中6例で内視鏡的粘膜治癒が確認できた。現在(追跡期間平均値368日) まで12例中7例(58.3%)で寛解維持されており、内視鏡的粘膜治癒が確認できた6例は全て再燃を認めていない。手術回避例は18例中16例(83.3%)。副作用は2例軽度のinfusion reactionと1例無症候性の肝機能障害を認めるのみであった。【考察】IFXは、難治性潰瘍性大腸炎の寛解導入、寛解維持に有用であると考えられた。今後さらなる症例集積と検討が必要と思われる。 |
索引用語 |
潰瘍性大腸炎, インフリキシマブ |