セッション情報 |
パネルディスカッション19(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器外科学会合同)
生物学的製剤時代におけるIBDの治療とその選択-粘膜治癒と長期的展望
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タイトル |
消PD19-8:クローン病におけるRe-set療法と粘膜治癒の検討
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演者 |
山田 哲弘(東邦大医療センター佐倉病院・内科) |
共同演者 |
岡住 慎一(東邦大医療センター佐倉病院・外科), 鈴木 康夫(東邦大医療センター佐倉病院・内科) |
抄録 |
【目的】Infliximab(IFX)の登場により腸管病変粘膜の治癒とその維持が、長期寛解維持につながることが認識された。一方で寛解導入後のIFX維持投与中にも関わらず再燃する二次無効例も存在し、中でも画像評価にて粘膜病変が高度に存在するもの(高度な狭窄、ろう孔を伴う狭窄)ではIFX投与継続にても寛解を維持できない。当院では内科治療困難な高度病変を外科的に切除する、つまり外科的粘膜治癒を実現させ、その後IFX維持療法を継続するRe-set療法を実施してきた。結果、二次無効例にもRe-set療法後は通常のIFX維持投与にて長期寛解維持が可能となっている。【方法】当院にてRe-set療法を施行した26例(Re-set群:男性20例、女性6例、平均年齢36.1±12.0歳)につき、術後再発後にIFXを導入した23例(再発後IFX群:男性20例、女性3例、平均年齢31.7±7.2歳)と寛解維持率、粘膜治癒率、再入院率、再手術率につき比較検討した。【成績】IFX維持投与1年後、2年後、3年後それぞれにおける寛解維持率はRe-set群で91.7%/69.5%/69.5%であるのに対し、再発後IFX群で57.1%/37.0%/29.6%であり有意な差が認められた。粘膜治癒率はRe-set群72.7%であるのに対し再発後IFX群20.0%であった。再入院率、再手術率はRe-set群で7.7%、7.7%であり再発後IFX群で52.2%、30.4%であった。【結論】Re-set療法により粘膜治癒が得られると同時に長期の寛解維持に有効であると考えられた。 |
索引用語 |
クローン病, Re-set療法 |