セッション情報 パネルディスカッション19(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器外科学会合同)

生物学的製剤時代におけるIBDの治療とその選択-粘膜治癒と長期的展望

タイトル 消PD19-13:

当院におけるAdalimumabの治療効果-IFX二次無効・不耐例を中心として-

演者 河野 友彰(兵庫医大・内科(下部消化管科))
共同演者 吉田 幸治(兵庫医大・内科(下部消化管科)), 松本 譽之(兵庫医大・内科(下部消化管科))
抄録 【はじめに】昨今、クローン病(以下CD)におけるBiologicsは活動期治療の中心的なものになりInfliximab(以下IFX)においては本邦で1万人以上のCD患者に投与されている。しかしIFX無効・不耐・効果減弱症例が認められ、種々の対策が検討されている。その中で昨年11月に本邦でCD治療に対する第2のBiologicsであるAdalimumab(以下ADA)が使用可能となった。今回当院におけるADAの治療効果を検討した。【方法】当院ではこれまで約450例のCDにIFXを使用し、約25%の症例で二次無効や不耐が認められている。今回2010年11月から2011年3月までにADAを導入したCD患者15名(男性8例、女性7例、平均年齢28.6歳)で、投与前のCDAI値は平均228.5点、CRP値は平均1.5mg/dlであった。投与理由はIFX二次無効例が5例、IFX不耐例が6例、Top down例が2例、術後予防例が2例であった。以上の症例にADAを導入し、治療効果、副作用について検討した。【成績】CDAI(ストマ症例4例は除く)においては、ADA初回投与から2週で寛解導入例は4/11例(36.4%)、70点以上の改善を示す有効例は2/11例(18.1%)、合わせて6例(54.5%)が改善を認めた。これをADA導入目的別でみると、IFX二次無効例2例(66.6%)、IFX不耐例2例(40%)、Top down例2例(100%)で改善を認めた。CRPにおいては初回投与から2週で13例(86.7%)が低下を認めた。これをADA導入目的別でみると、IFX二次無効例3例(75%)、IFX不耐例3例(75%)、Top down例2例(100%)で低下した。副反応は即時型反応が2例(発熱)、遅発型が1例(口唇ヘルペス)であった。IFX不耐例に対する副反応は1例(16.7%)であり継続投与は全例で可能であった。【結論】ADA導入によりCDAIからみた臨床改善率は初回投与2W後で半数以上に有効性と即効性を認めた。CRP値についても同様であり高い改善率が得られた。また副作用は少数例であり、いずれも軽症で全ての症例で継続投与可能であった。今回ADA導入症例の短期的評価を提示したが、今後は中長期的な評価を内視鏡的改善も含めて検討していきたいと考えている。
索引用語 adalimumab, クローン病