セッション情報 | パネルディスカッション20(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器外科学会合同)直腸LSTの診断と治療の最前線 |
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タイトル | 内PD20-11:直腸LSTの内視鏡診断と治療ストラテジー:ESDは標準化するか? |
演者 | 斎藤 豊(国立がん研究センター中央病院・消化管内視鏡科) |
共同演者 | 中島 健(国立がん研究センター中央病院・消化管内視鏡科), 松田 尚久(国立がん研究センター中央病院・消化管内視鏡科) |
抄録 | 【目的】当院ではSM浸潤率および浸潤部位の診断困難性から非顆粒LST(LST-NG)>2cmをESDの良い適応としてきた1).しかし顆粒型LST(LST-G)においてもEPMR後の浸潤癌再発を経験し,LST-G>3cmもESDの適応としている2).一方, ESDと経肛門外科切除との比較により,遺残再発率・低侵襲性の観点から直腸の上記適応LSTに関しては,腫瘍径の上限を設けずESDを第一選択としている3). 【方法】当院における大腸ESDの治療データベースから,治療成績を直腸と結腸とで比較検討する.また治療成績を2007年までの前期と2008年以降の後期との間で比較する.多施設大腸ESD1111例の解析結果から,大腸ESDの標準化の可能性に関し考察する. 【成績】前期308病変,後期314病変の大腸ESDを施行.前期は2人の施行医が中心に大腸ESDを施行していたが,後期は大腸ESD手技が標準化したため,レジデント含む5人の内視鏡医が施行している.治療成績はスネア併用率が33%→19%,穿孔率も3.9%→1.9%に減少した.前・後期を通し直腸の占める割合は1/4であり,後期において,直腸と結腸で治療成績を比較してみると,直腸で後出血率が3.7%と有意に高かった.また治癒切除率が直腸で86.6%とやや低かった. 多施設大腸ESDの解析から,腫瘍径>50mm,総大腸ESD件数<50症例が,合併症の危険因子として抽出された4). 【結論】直腸腫瘍に対するESDは全大腸ESDの1/4を占め,後出血率以外は結腸と差は認めなかった.安全・確実なESDには症例数の蓄積が必要であり,トレーニングシステムの構築が課題である. 【文献】 1)Uraoka T, Saito Y, et al. Gut. 2006; 55(11):1592-7. 2)Saito Y, Fukuzawa M, et al. Surg Endosc. 2010;24(2):343-52. 3)Kiriyama S, Saito Y, et al. J Gastroenterol Hepatol. 2011 Feb 8.[Epub ahead of print] 4)Saito Y, Uraoka T, Yamaguchi Y, Hotta K, Sakamoto N, Ikematsu H, et al. Gastrointest Endosc. 2010;72(6):1217-25. |
索引用語 | 直腸ESD, LST |