セッション情報 パネルディスカッション22(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器外科学会合同)

上部消化管出血に対する緊急内視鏡の現状

タイトル 内PD22-6:

食道静脈瘤出血に対する内視鏡治療の到達点

演者 中村 真一(東京女子医大・消化器病センター)
共同演者 岸野 真衣子(東京女子医大・消化器病センター), 白鳥 敬子(東京女子医大・消化器病センター)
抄録 【目的】食道静脈瘤出血は内視鏡的硬化療法(EIS)、内視鏡的静脈瘤結紮術(EVL)の普及により、止血、治療が可能となっている。今回、食道静脈瘤出血に対する内視鏡治療の現状と治療成績について報告する。【対象と方法】1995年1月から2010年7月に食道静脈瘤出血に対して内視鏡的止血治療を施行した349例を対象とした。性別は男性264例、女性85例、平均年齢は60.9歳で、基礎肝疾患はウィルス性肝炎215例、アルコール性76例、その他58例であった。肝機能はChild-Pugh分類A 66例、B 189例、C 94例で、肝癌合併は157例(45,0%)であった。静脈瘤形態はF1 31例、F2 159例、F3 159例で、うち66例(18.9%)は食道静脈瘤に対する治療歴を有していた。出血部位は食道306例、Lg-c 43例であった。止血法および止血治療後2年の累積非再出血率、生存率を検討した。【結果】第1選択とした治療法はEVL 231例、EIS 108例、Histoacryl注入法10例であった。止血治療後2年の累積非再出血率、生存率を表に示す。累積非再出血率では有意差を認めなかったが、Child-Pugh分類Cの生存率は有意に不良であった。【結論】内視鏡治療の進歩、特にEVLの普及によって、止血治療、救命されていることは食道静脈瘤患者にとって福音である。
索引用語 食道静脈瘤, 内視鏡