セッション情報 |
シンポジウム16(消化器内視鏡学会・消化器病学会合同)
胆膵疾患に対するtherapeutic EUSの現状(EUS-FNA を除く)
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タイトル |
内S16-3:膵仮性嚢胞に対するEUSガイド下ドレナージ(EUS-PCD)の有用性の検討
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演者 |
池内 信人(東京医大・消化器内科) |
共同演者 |
糸井 隆夫(東京医大・消化器内科), 森安 史典(東京医大・消化器内科) |
抄録 |
【背景と目的】近年,超音波内視鏡は検査のみならず,幅広く治療にも応用され,なかでも膵仮性嚢胞に対するEUSガイド下ドレナージ(EUS-PCD)は高い有効性が多数報告されている.しかし一方で,いまだその手技自体も標準化には至っていない.今回,われわれは当院におけるEUS-PCDの有用性を検討した. 【対象】対象はEUS-PCDを施行した64例.平均年齢55.3歳,男女比 51:13,平均嚢胞径87.3mm,嚢胞穿刺部位は食道1例,胃 57例,十二指腸5例,小腸(Roux en-Y症例)1例であった.ドレナージ方法は外瘻のみとした症例8例(EN群).PSを用いた症例46例で,内瘻のみ9例(PS群),内外瘻29例(EN+PS群)であった.MSを用いた症例は17例であり,使用したMSの種類は胆管用 (A群) 1例,ダンベル型 (B群) 12例,フレア型 (C群) 4例であった. 【成績】全体の手技成功率98.4%,初回奏功率93.7%,最終奏功率98.4%であった.ドレナージ方法別の初回奏功率はEN群62.5%,PS群77.8%,EN+PS群96.6%,A群100%,B群100%,C群100%であった.ただし,MS留置した8例にnecrosectomyを施行した.処置による偶発症は12.7%(EN群12.5%,PS群0%,EN+PS群10.4,A群100%,B群8.3%,C群25%)であったが,致命的なものは認めなかった.内訳は気腹症(EN+PS群)1例,腹痛(EN+PS群)1例,ステント迷入1例(EN+PS群),出血2例(EN群,A群),腹膜炎1例(B群),ステント逸脱1例(C群),であった.その他,嚢胞消失後PS抜去後1例に再発を認めた(1.9%).【結語】EUS-PCDは有効で安全な非外科的治療として有用であるといえる.またドレナージ方法は内外瘻,MS留置がドレナージ方法として優れていた.ただし少数ではあるが偶発症や穿刺困難例も存在するため,今後さらなる処置具の開発が期待される. |
索引用語 |
EUS-PCD, 膵仮性嚢胞 |