セッション情報 |
パネルディスカッション22(消化器内視鏡学会・消化器病学会・消化器外科学会合同)
上部消化管出血に対する緊急内視鏡の現状
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タイトル |
内PD22-17追7:抗血栓薬内服中の症例における胃、十二指腸ESDでは遅発性後出血予防目的のthird lookが必要か?
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演者 |
東納 重隆(新東京病院) |
共同演者 |
森田 靖(新東京病院), 三浦 美貴(新東京病院) |
抄録 |
【目的】抗血栓薬内服中の症例における胃、十二指腸ESDについて、遅発性後出血の危険性と third lookの必要性について検討する。【方法】対象は2007年4月~2010年11月の間に当院で実施した胃、十二指腸ESD症例219症例232病変について検討した。抗血栓薬を内服していない症例が152症例162病変、抗血栓薬を休止した症例が45症例48病変、LDA(低用量アスピリン)を継続した症例が22症例、22病変であった。ESDの全例において術翌日にsecond lookを実施し、2009年6月以降は後出血の危険性が高いと判断した症例について、ESD後7日目にthird lookを実施した。【結果】抗血栓薬内服のない症例に比較して、事前に複数の抗血栓薬を内服しておりLDA継続下でESDを実施した症例では後出血の危険性が非常に高かった(オッズ比12.43、95%CI:3.74-41.26)。また輸血を必要とした頻度も高値であった(オッズ比54.91、95%CI:5.67-534.37)。また事前に抗血栓薬を内服していた症例ではESD後7日目以降の遅発性の後出血の頻度が高かった(後出血のうち66.7%)。抗血栓薬内服症例においてthird lookを実施しなかった場合の遅発性後出血の頻度は6/49例(12.2%)、third lookを実施した場合の遅発性後出血の頻度は2/21例(9.5%)であり、有意差は認めなかった。【結論】複数の抗血栓薬内服中の症例ではESD後の抗血小板薬を再開後の後出血や輸血の危険性が高く、特にESD後7日目以降の遅発性の後出血の頻度が高かった。抗血栓薬内服症例のESDにおいては、特に複数の抗血栓薬内服中の症例ではESDの7日後にthird lookを行っているが、現時点では明らかな有効性を示すことはできなかった。 |
索引用語 |
抗血栓薬, third look |