セッション情報 |
パネルディスカッション23(消化器外科学会・消化器病学会・消化器内視鏡学会合同)
併存疾患を有する消化器癌の治療方針と術前・術後管理における注意点
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タイトル |
外PD23-3:高齢者消化器外科手術における術前Revised Cardiac Risk Index評価の意義
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演者 |
竹内 裕也(慶應義塾大・外科) |
共同演者 |
平野 佑樹(慶應義塾大・外科), 北川 雄光(慶應義塾大・外科) |
抄録 |
【目的】高齢者消化器手術の安全性をより向上させるためにはハイリスク群の拾い上げが重要である.その方法として術前の改訂版心リスク指標(Revised Cardiac Risk Index: RCRI)に注目し,前向き観察試験でその有用性を検討した.【対象】2009年4月から2010年4月までの当教室の65歳以上の消化器外科手術患者で術前に同意書が得られた98例を対象に,術前RCRIと周術期合併症,入院期間,保険請求点についてprospectiveに検討した.【結果】RCRIはClass I+II/III+IV:70例/28例であった.術後手術操作関連合併症としてSurgical site infection(縫合不全含む)22例(22%),腸閉塞2例(2%),非手術操作関連合併症としてせん妄11例(11%),頻脈性不整脈11例(11%),肺炎5例(5%),静脈血栓塞栓症2例(2%)を認めたが,周術期死亡は認めなった.Class I+II群とIII+IV群の2群間で年齢,性別,Body Mass Index,手術時間,出血量に有意差を認めなかったが,Class III+IV群でSurgical site infection,せん妄の頻度が有意に高く,頻脈性不整脈の発生頻度も高い傾向を認めた.術後の入院期間が22日以上であった症例はClassI+II群で15例(9%)であったのに対し,ClassIII+IV群では20例(52%)と有意に多かった.保険請求点(median±SD)に関してもClassI+II群よりClassIII+IV群で有意に高かった.【結語】術前RCRIは高齢者消化器外科手術のハイリスク群の拾い上げに有用であった.今後術前RCRIに基づいたより安全な周術期管理を確立していく必要があると考えられた. |
索引用語 |
RCRI, 消化器外科 |