セッション情報 |
シンポジウム16(消化器内視鏡学会・消化器病学会合同)
胆膵疾患に対するtherapeutic EUSの現状(EUS-FNA を除く)
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タイトル |
内S16-6追:膵嚢胞に対するEUSガイド下through-the-needle cystoscopy及びconfocal laser-induced endomicroscopy(CLE)の安全性と有用性の検討:DETECT study
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演者 |
中井 陽介(University of California Irvine Medical Center, USA) |
共同演者 |
岩下 拓司(University of California Irvine Medical Center, USA), K. Chang(University of California Irvine Medical Center, USA) |
抄録 |
【目的】近年診断機会が増えている膵嚢胞の精査には、本邦ではEUSなど画像診断が、海外ではさらにEUS-FNAによる嚢胞液CEA測定・細胞診が行われている。近年開発された19G FNA針内に挿入可能なoptic probeおよびin vivoでmicroscopic examinationが可能なproto type CLE probeを用いた、EUSガイド下膵嚢胞に対するthrough-the-needle cystoscopy及びCLEの安全性と有用性を検討した(NCT#01447238)。【方法】対象は当センターを膵嚢胞に対するEUS-FNA目的で受診した症例。EUSにて膵嚢胞を観察後、19G FNA針で嚢胞を穿刺。穿刺針からSpyGlass Fiber Optic Probe(Boston Scientific)を挿入し、嚢胞内を観察。続いてCLE probe (Cellvizio AQ-Flex prototype, Mauna Kea Technologies)を挿入し、フルオロシン静注後に嚢胞壁のin vivo microscopyを施行。最後に嚢胞液を吸引、粘調性・CEA/AMY測定・細胞診を行った。病理診断を含めた臨床診断との相関を検討した。【成績】2010年10月から2011年11月までに21例を登録(嚢胞径中央値27mm)、うち臨床診断確診例13例(IPMN 5、MCN 3、SCN 2、pseudocyst 2, lymphoeptitheliac cyst 1)。手技完遂率は100%(1例で2回穿刺)。手技時間中央値は、全体で49分、cystoscopy4分、CLE6分。合併症は膵炎を1例で認めた。cystoscopy・CLEのimage qualityは、それぞれ62%・86%でgood/excellentであった。cystoscopyでは粘液所見が、CLEでは乳頭状突起などの上皮所見が、粘液性嚢胞(IPMN+MCN)に特異的な所見であった。粘液性嚢胞の確診例における感度は、cystoscopy(粘液所見)、CLE(上皮所見)、cystoscopy+nCLE で、それぞれ88%, 75%, 100%であった。【結論】膵嚢胞に対するEUSガイド下through-the-needle cystoscopy及びCLEは、粘液性膵嚢胞の診断に有用な可能性があり、病理所見とのさらなる検討が重要である。 |
索引用語 |
膵嚢胞, EUS-FNA |