セッション情報 ワークショップ2(消化器病学会・消化器内視鏡学会・消化吸収学会合同)

GALT研究の最前線

タイトル 消W2-1:

免疫システムを形作る腸内フローラ

演者 本田 賢也(東京大大学院・免疫学)
共同演者
抄録 腸内細菌と常に接する腸管粘膜は、非常にユニークな免疫システムを形成しています。中でも、インターロイキン-17を高産生するT細胞サブセット(“Th17細胞”)や、制御性T細胞(“Treg細胞”)が、消化管粘膜に恒常的に多数存在することが知られています。私たちは無菌マウスを検討することで、腸内細菌の存在が、Th17細胞・Treg細胞それぞれの分化に必須であることを見出しました。さらにどのような腸内細菌がそれら免疫細胞を誘導するのかを検討した結果、Th17細胞分化を誘導する腸内細菌としてセグメント細菌(segmented filamentous bacterium, SFB)を、Treg細胞分化を誘導する腸内細菌としてクロストリジウム属細菌を同定しました。Th17細胞・Treg細胞はともに、自己免疫疾患や感染症に深く関わる細胞です。私たちの研究結果は、こうした疾患への治療に応用できる可能性があります。
索引用語 腸内細菌, Treg