セッション情報 ワークショップ2(消化器病学会・消化器内視鏡学会・消化吸収学会合同)

GALT研究の最前線

タイトル 消W2-2:

食餌性分子を介した腸管免疫の制御と免疫疾患との関連

演者 國澤 純(東京大医科学研究所・炎症免疫学)
共同演者 清野 宏(東京大医科学研究所・炎症免疫学)
抄録 腸管に存在する免疫システムは脾臓などの全身系免疫システムとは異なる性質を示すことで、生体の最前線における生体防御と恒常性維持における中核的役割を担っている。この腸管免疫システムの有する特徴の一つとして、サイトカインなどの生体内分子を介した相互作用だけではなく、腸内フローラや食餌性成分などの腸内環境因子を介した相互作用もその制御に関わっていることが挙げられる。これまでの多くの基礎的、臨床的報告から腸内環境因子を介した免疫制御が食物アレルギーや炎症性腸疾患などの免疫疾患の発症とも関わっていることが示されている。腸内フローラを介した腸管免疫制御についてはゲノム情報の集積や解析技術の発展もあり、ここ最近その実体が解明されつつある。またもう一つの腸内環境因子である食餌性分子についても未だ曖昧模糊とした部分も多く残されているが、徐々にその実体が分子、細胞レベルで明らかとなってきた。本発表においては、我々が現在進めているビタミン、脂質などの食餌性分子を介した腸管免疫制御と粘膜免疫疾患との関わりに関する研究について最近の知見も交え発表したい。
索引用語 食餌性成分, 免疫疾患