セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 108:MRCPによるスクリーニングが有用であった膵・胆管合流異常に早期胆嚢癌を合併した一例 |
演者 | 平澤 俊明(君津中央病院 消化器科) |
共同演者 | 駒 嘉宏(君津中央病院 消化器科), 早坂 章(君津中央病院 消化器科), 藤森 基次(君津中央病院 消化器科), 永嶋 文尚(君津中央病院 消化器科), 佐藤 恒信(君津中央病院 消化器科), 大部 誠道(君津中央病院 消化器科), 酒井 裕司(君津中央病院 消化器科), 清水 怜(君津中央病院 消化器科), 大東 佐和子(君津中央病院 消化器科), 海保 隆(君津中央病院 外科), 松嵜 理(君津中央病院 病理) |
抄録 | 患者は51歳女性。若年時より時折、発熱、上腹部痛を認めていたが精査は行わなかった。平成14年7月上腹部痛を主訴に近医を受診し、腹部超音波、腹部CTを施行され、総胆管の拡張を認めたため精査目的で当院へ紹介となった。当院受診時、無症状であり、血液検査で異常はなかった。腹部超音波、腹部CTでは肝外胆管が拡張し、特に総胆管は最大径20mmに拡張していた。また胆嚢体部から底部かけて周囲に壁肥厚を伴う径4×4mmの隆起性病変を認めた。MRCPを行い、膵・胆管合流異常と診断し、ERCPを施行した。ERCPでは共通管の長さは25mmであり、胆管は最大径24mmと紡錘状に拡張していたが、胆管壁の不整像及び、隆起性病変は認めなかった。以上の画像診断より膵・胆管合流異常に合併した早期胆嚢癌が疑われ、当院外科で胆嚢胆管切除、胆管空腸吻合を施行した。術中所見では胆嚢内部に凹凸不整あるも術中迅速組織診では悪性所見は認められなかったが、術後病理所見では胆嚢癌(well diff.adenocarcinoma.m-RASss.margin free)であった。また、胆管は著明に拡張しcongenital bile duct cyst type Iとして矛盾はなく、上皮に異型は見られなかった。なお、胆管内胆汁中のアミラーゼは21万、胆嚢内胆汁中のアミラーゼは30万と高値であり膵液の胆管への逆流が示唆された。MRCPは非侵襲的であり、その画像の進歩に伴い、近年肝胆膵疾患の診断に有用となってきている。本症例でも、ERCP前に施行したMRCPにて膵・胆管合流異常を診断することができ、mの胆嚢癌を治癒切除し得た貴重な症例であった。 |
索引用語 | 膵・胆管合流異常, MRCP |