セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 41:反転大腸憩室症に炎症を伴った1例 |
演者 | 伊藤 智彰(埼玉県済生会川口総合病院 外科) |
共同演者 | 玉崎 秀次(埼玉県済生会川口総合病院 外科), 根上 直樹(埼玉県済生会川口総合病院 外科), 佐藤 雅彦(埼玉県済生会川口総合病院 外科), 大久保 剛(埼玉県済生会川口総合病院 外科), 前川 勝治郎(埼玉県済生会川口総合病院 外科), 佐藤 英章(埼玉県済生会川口総合病院 病理) |
抄録 | 今回我々は、反転大腸憩室症に炎症を伴った1例を経験したので報告する。症例は52歳、男性。主訴は右下腹部痛。平成15年5月26日より右下腹部痛が出現し、症状が増強したため5月30日に当院を受診した。現症は、体温36.3度、右下腹部に腹膜刺激症状を認めた。血液検査では、白血球16500 /μl、CRP3.31mg/dlであった。CT検査では、虫垂の腫大と腸重積を思わせる下行結腸での層構造を認め、同日緊急手術を施行した。虫垂は炎症性に腫大し、また盲腸の漿膜から触れると内部に約4cm大の弾性硬の腫瘤を触知した。虫垂重積症を考慮し、さらに悪性腫瘍も否定できなかったため、回盲部切除を施行した。切除標本では、盲腸と虫垂に憩室を認め、盲腸の内腔には1.5×5.0cm大の表面平滑なポリープ状の隆起性病変を認めた。病理組織検査では、この腫瘤は固有筋層の欠落を認めるため憩室の反転と診断された。反転大腸憩室症の報告は稀で、憩室が反転する原因としては、メッケル憩室のような真性憩室の場合、蠕動中に生じる腸管内の陰圧などが推測されている。しかし、大腸憩室の場合には、小さな憩室が多く、大腸憩室の成因が内圧の増加によることと結腸紐の存在など大腸壁の構造上、憩室の内翻はしにくいと推測されている。今回我々は、比較的稀な疾患である反転大腸憩室症を経験したので、若干の文献的考察を加え報告する。 |
索引用語 | 大腸憩室, 反転憩室 |