セッション情報 一般演題

タイトル 51:

ステロイド内服中のSLE患者に発症した大腸穿孔の一例

演者 秦 政輝(順天堂大学下部消化管外科)
共同演者 前多 力(順天堂大学下部消化管外科), 木原 晃(順天堂大学下部消化管外科), 北島 政幸(順天堂大学下部消化管外科), 笠巻 伸二(順天堂大学下部消化管外科), 渡部 智雄(順天堂大学下部消化管外科), 石引 佳郎(順天堂大学下部消化管外科), 冨木 裕一(順天堂大学下部消化管外科), 坂本 一博(順天堂大学下部消化管外科), 鎌野 俊紀(順天堂大学下部消化管外科)
抄録 症例は55歳女性、主訴は下腹部痛。家族内に膠原病の発症者を認めなかった。昭和55年、35歳時にSLEを発症、副腎皮質ステロイドの内服治療を受けていた。今回、平成15年6月16日、突然の下腹部痛出現、腹膜刺激症状を認めた。腹部CTを施行したところfree airを認めたため、消化管穿孔を疑い、緊急手術を施行した。術中所見では、腹腔内に膿性腹水が貯留しており、左上腹部~側腹部にかけ膿瘍の形成を認めた。穿孔部はS状結腸であった。切除標本ではS状結腸に潰瘍形成を認め、潰瘍底には約10mm大の穿孔部を認めた。大腸穿孔は上部消化管穿孔と比較しまれな疾患といえるが、SLEなどの膠原病においては、それらに伴う血管障害、免疫異常により、また原疾患の治療のため副腎皮質ステロイドを内服していることが多く、種々の消化器症状を呈し、時として消化管穿孔を来たすことも知られている。なかでも大腸穿孔は重篤な経過をとり、予後不良であるため早急な治療を要する。今回われわれはSLEに合併した大腸穿孔の一例を経験したので、若干の文献的考察を加え報告する。
索引用語 大腸穿孔, ステロイド