セッション情報 ワークショップ4(消化器がん検診学会・消化器病学会・消化器内視鏡学会・肝臓学会・消化器外科学会合同)

腹部超音波検診の現状と展望

タイトル 検W4-8:

超音波画像自動取得からみた検診の将来展望

演者 三浦 隆生(日本大・消化器肝臓内科)
共同演者 小川 眞広(日本大・消化器肝臓内科), 森山 光彦(日本大・消化器肝臓内科)
抄録 【目的】「腹部超音波がん検診」の実施基準により検診における標準化も決められつつあるが、検診の現状は検者の技量にかっているところが大きくこれは超音波検査の客観性の低さに起因するところでもある。この欠点は検者の技術的な観点以外にも画像診断全般にいえる読影ミスも含まれるため専門医による二重読影も行っているがシステム上思うようにいかないのが現状である。そこで今回我々は超音波検診の将来展望という観点から3Dプローブを用いた超音波画像の自動取得による可能性を通常検査と比較検討したので報告する。
【方法】対象は、当院において肝臓、胆嚢、膵臓、脾臓、腎臓の5臓器に対し超音波スクリーニング検査を受けた100症例とした。使用超音波診断装置:GEヘルスケア社LOGIQ7.使用探触子:4D3C-L、4Cである。通常の超音波検査の施行前に3Dプローブの振幅を最大の84度に設定し、10箇所で自動画像取得行い装置内のHDにRaw data保存した。画像評価は検査終了後画像サーバーより超音波専門医が行い通常検査の結果と有所見の差を比較した。
【成績】3Dプローブによる画像取得は平均2~3分で取得可能であり、data容量は180~240MBであった。3Dプローブはコンベックスと比較した場合に近距離を中心とした画像の劣化があるものの、客観性が飛躍的に向上し画像評価においては優れていた。また画像の再評価により新たに指摘される病変もあり二重読影の効果はあることが確認された。欠点としては1件の容量が180~240MBとなるため画像保存に問題が生じると考えられた。
【結論】今回3Dプローブを用いて自動取得で検討を比較したが、scan断面を決定した2~3秒間の1方向のsweep scanのvolume dataと置き換えられる。ビデオ異なり各パラメーターを調節することが可能であれば検査後の解析も可能となることが判明し精度管理の観点からも検診における将来あるべき方向と考えられた。
索引用語 検診, 超音波