セッション情報 | 一般演題 |
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タイトル | 56:特発性気腹症の2例 |
演者 | 寺崎 宏明(東京都立松沢病院) |
共同演者 | 川端 啓介(東京都立松沢病院), 木田 孝志(東京都立松沢病院), 石川 敏昭(東京都立松沢病院), 羽生 丕(東京都立松沢病院) |
抄録 | 腹腔内遊離ガス(気腹)の存在は、一般的には消化管穿孔を示唆し、緊急手術の適応となることが多い。その中で腹膜刺激症状を呈さず外科的治療を必要としないものが、いわゆる特発性気腹症とされている。われわれは特発性気腹症の2例を経験したので、若干の文献的考察を加えて報告する。 症例1は55歳、女性。統合失調症にて他院入院中、内痔核の手術目的に平成10年8月当院へ転院となり、入院時レントゲン写真で腹腔内遊離ガス像を認めた。腹膜刺激症状はなく、精査を行い十二指腸憩室、総胆管結石を認めたが、遊離ガスの原因は不明にて特発性気腹症と診断。内痔核の手術後紹介元へ転院となった。その後、紹介医で経過観察されていたが、遊離ガスは消失せず、平成15年4月再び当院へ転院。精査中に閉塞性黄疸、胆管炎を併発したため、胆摘、総胆管切石、Tチューブ・ドレナージ術施行したが、遊離ガスの原因は不明で術後気腹は消失した。 症例2は70歳、男性。統合失調症にて他院入院中の平成15年3月、嘔気嘔吐出現したため腹部レントゲン施行したところ、腹腔内遊離ガス像を認めた。消化管穿孔を疑い内視鏡でビラン性胃炎が確認されたが穿孔はなく、保存的治療を行ったところ遊離ガスは消失した。経過観察中に再び嘔気嘔吐出現し、腹部レントゲンで遊離ガス像を認めたため、精査加療目的に平成15年4月当院へ転院となった。精査の結果胃炎、傍乳頭憩室を認めたが消化管穿孔はなく、腹膜刺激症状もないため経過観察を行った。遊離ガスは減少し、平成15年6月紹介元へ転院となった。遊離ガスの原因は不明だった。 |
索引用語 | 気腹, 腹膜刺激症状 |