セッション情報 |
シンポジウム16(消化器内視鏡学会・消化器病学会合同)
胆膵疾患に対するtherapeutic EUSの現状(EUS-FNA を除く)
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タイトル |
内S16-10:EUSランデブー法の有用性と安全性に関する検討 -適切なアプローチルートの選択ー
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演者 |
川久保 和道(東京大附属病院・消化器内科) |
共同演者 |
伊佐山 浩通(東京大附属病院・消化器内科), 小池 和彦(東京大附属病院・消化器内科) |
抄録 |
【目的】ERCP胆管挿管失敗例に対する超音波内視鏡ガイド下ランデブー法(EUS-RV)の安全性と有用性を検討する。【対象と方法】2010年8月から2012年2月までに行った1327例のERCP中、選択的胆管挿入失敗例に対してEUS-RVを行った症例。アプローチルートの選択は症例に応じて行った。経胃的ルート(transgastric; TG)では胃内から肝内胆管を穿刺、経十二指腸球部アプローチ(transduodenal in a push position; TDP)ではEUSをプッシュポジションで中上部胆管を穿刺、経十二指腸下行脚(transduodenal in a stretch position; TDS)アプローチではEUSをストレッチポジションで中下部胆管を穿刺。穿刺には19G穿刺針(Echotip)を用い、ガイドワイヤー(GW)は主に0.025インチGW(Revo Wave)を用い、狭窄突破が困難な場合は400cmの0.035インチ親水性GW(Radifocus)に変更した。GWを胆管から乳頭を順行性に通したあと、十二指腸内に十分送り込み、GWが抜けないよう慎重にEUSスコープを抜去。引き続き側視鏡を挿入し、乳頭から出ているGWをスネアで把持し、鉗子チャンネルを通してスコープの外に出し、Over-the-wireの形でカニュレーションを行った。主要評価項目は手技成功率、副次評価項目は偶発症。【結果】平均年齢77歳、男/女:8/5。原疾患は胆管結石8、悪性胆道狭窄5。6例はERCPと同日、7例は後日に行った。アプローチルートはTG5、TDP3、TDS5。穿刺胆管は、左肝内胆管4、右肝管1、中部胆管3、下部胆管5。手技成功率は100%(13/13)。3人でTDSからTDPにアプローチルートを変更した。8人で狭窄、乳頭通過のため親水性GWへの変更を行った。平均手技時間は82分。偶発症はTDS後EPBDでの結石除去例で急性膵炎、膵癌による悪性胆道狭窄に対してTDPでのアプローチ例に胆汁性腹膜炎を認めたが保存的に軽快した。【結論】EUS-RV法は、選択的胆管挿管困難例に対するサルベージとして、安全で確実な方法である。症例に応じて、3つの異なるアプローチルートを使い分けることが重要である。 |
索引用語 |
Therapeutic EUS, EUSランデブー法 |